「期待以上の感動。見応えあるし、初めて敵に涙。」クリード 炎の宿敵 Marikoさんの映画レビュー(感想・評価)
期待以上の感動。見応えあるし、初めて敵に涙。
ロッキーをずっと観てきた人は必見です。
よく「どうせとってつけたような続編やろ」とか
「どうせ原作のイメージ壊すやろ」とか
決めつけて意地になって観ない人がいますが(男性に多い気がする)、
とりあえず観てみたら?って私は思う😯
しかしロッキー①は1976年の作品、もう42年も前なんですね。
スタローンもいい感じに年いって、でも渋みと深みが出ていい感じ。前作のクリードでもいい演技してましたよね。
今回は親友アポロの息子アドニスと、アポロを殺したロシアのドラゴの息子ヴィクターが因縁対決するわけですが、単なるリベンジ映画にせず、ほんとにこういう大ヒットシリーズの続編て難しいと思うんですが、登場人物みんなを丁寧に描いていて、考えに考えて色々こうなったんだろうなぁ…というのがヒシヒシと感じられました。
映画って、まずは企画が上がって、構想や題材があって、それをどうもっていくか。まず軸になる脚本の仕上がり内容、演出、キャスト…
選択と内容次第で全く違う趣きの映画になりますから… いやほんと、今回苦労されたんだろうなと。
私はこの『クリード2」とても好きです。
なんのために闘うのか?
なぜ闘うのか?
1人のボクサーの、そして人間としての、成長物語でもある。
ロッキーの言う『リングは世界一孤独な場所』まさにその通り。
自分をぶっ倒そうと相手は待ち構えている。
でも、私たちも、きっとみんな、何かと闘っている。
リングの中でなくても、それぞれの場所で、何かと闘っている。
生きることは、闘うことでもある。
だから、倒れても倒れても立ち上がる姿に自分を重ね、拳を握り、心熱くなるのでしょう。
正直あまり期待せず観たけど、今回は意外にも敵のドラゴ親子に対して終盤で気持ちが入ってしまって、ドラゴのあの④の敗北からの反骨心とか、国に対する複雑な気持ちとか、息子(ほんとのプロボクサーが演じている。めちゃハマり役)の母親に対する気持ちとか、恵まれない境遇の中で生きてきた苦しみとか、しっかり伝わってきて涙しました。
そして、自分の怨念を息子に投影しながら男手でずっと育ててきた息子の闘いに、最後にドラゴが下す ″ある決断″ に涙。
国のためでもなく、威信のためでもない、他の何にも代え難い大切な存在を守るための決断。
そしてむせび泣く息子に「もういいんだぞ」と。
敵親子に涙するなんて初めてです。
いい映画観た〜