「ほぼロッキーの焼き直し」クリード 炎の宿敵 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
ほぼロッキーの焼き直し
およそロッキーである。シルヴェスター・スタローンが製作して出演もしているから、どうしてもそうならざるを得ないのだろうが、世界観もテーマもロッキーそのままなので、必然的にデジャヴを覚えてしまう。ロッキーを観れば、この映画は観る必要がない。何のためにこの映画を作ったのだろうか。
もちろん役者が違うから、それなりに楽しめることは楽しめる。130分もそれほど長くは感じない。しかし、いかんせん残るものが何もない。いつもながらの家族第一主義ですべておさめようとしている。アメリカ人は文明的、技術的な側面では著しく進歩してきた。しかし人生観や哲学となると、フロンティア時代の開拓精神から一歩も踏み出していないように見える。もはやアメリカの時代は終わったのだ。
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