誘拐アンナのレビュー・感想・評価
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大人のためのロードムービーアニメ
フランス映画の「あの胸にもう一度」を知らずに観ました。「あの胸にもう一度」を知っている方も、知らない方も楽しめる映画です。
同人作品以下
そもそも元ネタの『あの胸にもういちど』が、スイーツ映画でしかない。
確かにカルトだが、それは脚本のどうしようもなさと主演を務めたドラッグ中毒のマリアンヌ・フェイスフルの魅力が、古典ゆえの緩さにマッチした結果である。あれは古典でしかあり得ない。そしていち映画としては、死ぬほどクソなのである。
この『誘拐アンナ』は、それをただ単になぞっただけのファンムービーに過ぎない。
いや、クオリティを考えれば同人以下である。
良い点が全く無いとは言わない。元ネタを知らない人に、ネタとしての高いプライオリティは示せるだろうし、知る人へのサービスにもなる。
しかし、それだけで、他には何も無い。
べらべらとセリフで説明するだけのアニメ的演出が、とてもフランスとの合作とも思えないし、あえてであろう3DCGのローポリレベルが、残念ながらノイズにしかなっていない点は、古典へのオマージュ表現を間違えたとしか感じられない。
ましてや短編である。ローポリならローポリで手間を掛けられた箇所なんか腐るほどあるはず、それをしないのは油断であり「わざとです」という言い訳での怠慢と断言したい。これが長編ならまだ理解も出来る。
如何にも観念的なラストは、解釈が分かれることを見越してのものなのだろうが、結局スイーツを脱却出来ていない時点で、元ネタの足元にも及ばない。
そして元ネタはカルトだがクソ映画である。そのクソに砂糖をまぶし蜂蜜をかけたのが、この映画である。
何もかもが甘すぎる。
おもしろかった
質感、漂う雰囲気、魅力的な主人公がよかった。 なるほど確かに哀しみのベラドンナ、あの胸にもういちどの心理描写に近い。 両作品ともに「異常な心理」ではなくて、「誰もが持ってる持ち得る心理」をあの時代背景と当時の感性で非常にうまく性衝動や欲望や嫉妬や妄想を表現した作品だと思っています。その雰囲気が誘拐アンナにも漂う。
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