ファイナル・フェーズ 破壊のレビュー・感想・評価
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ドクター・マンハッタン計画?
オープニングで不遜なテロップ、「神が我々を救わないのであれば我々が神を創る」。
どうも超新星爆発のガンマー線バースト(GRB)が地球を襲うらしいと言う科学者の警告、ところがこの危機らしきものは映画の終わり数分だから観ている途中は家庭崩壊のホームドラマにしか思えない。
妻に先立たれ酒に溺れ娘二人も放置状態、ダメ親父の見本のような男が何故かマッド・サイエンティストの実験台に選ばれる、いったい何を目論んでいるのかさっぱりだが、DCコミック・ファンにはドクター・マンハッタンを創るのだと言えば分かるらしい。たった一人でGRBから地球を守るなんてウルトラ兄弟が結集しても不可能だろうからX-menの製作陣は大した自信家。
未曽有の地球の危機なのに世界が科学力を結集して対抗策を練る正攻法は棚に上げ、個人に頼るとは、それもダメ親父だし後味の悪いホームドラマ風に仕立てる神経が頂けない。
地球を救うためのドクター・マンハッタン計画とは突飛すぎてついていけませんでした。
ディズニーよ救いの手を
「X-MEN」でVFXを担当していたマシュー・サントロ監督という事もあり、VFXは確かに素晴らしい。もちろんB級映画の枠は予算的にも超えていないものの、終盤は大きな役割を果たしている。ただ本作の良い点は正直それだけだろうか。映像は良いがストーリーに魅力がない凡作だった。
地球にやって来るガンマ線を防ぐため、人間を変容させて神の領域に達することが出来る超人を創り、対峙させるという、今のディズニーが好みそうな内容だ。だがそのガンマ線の驚異を特に感じることは無く、「適応者」の主人公が力を発揮させるために一般市民を虐殺するように命令され、仕方なく従っていくという展開が永遠と続く。終盤は完全にスーパーヒーローとなり、そこだけは楽しめるが起伏のない物語で中盤で飽きてしまった。指示役の人間には敵がいないのか、ひたすら指示を出すだけで独裁状態。これが大衆向けのアクションムービーならばそれに対抗する組織やらがドンパチしてくれるはずなのだが、一対一のしょうもないやり取りを見させられている感覚になってしまった。
この脚本を磨き上げれば主人公の中年小太り親父も「アベンジャーズ」の仲間入りを果たせるだろう。
GRB
嫁を病気で亡くしアル中になって家庭を崩壊させた男が力に目覚めて行く話。
頭の中に直接話しかけたり映像を見せることにより、主人公のオッサンを追い詰め反発による力の覚醒と安定を図っていく。
最終的には力を手に入れるのは判ってあるのに、みせたいことの主が力を得ていくところにある様でストーリーとしての面白味が少ない。
予告編に導入とオチだけつけたら充分に思える。
わからない映画?
If your God will not save us, I will create my own.
この作品は、ある一見何の変哲もない中年男性のゾーイ(ロン・エルダード)が想像も絶する過酷な状況に追い込まれるSci-Fiスリラーとして成立している。
BREAKING THE BEAST
マッドサイエンティスト(コルム・フィオール)のゾーイに対する行為が謎が謎を呼ぶものと前半はなっている。
You wanted someone to tell you what to do.
-I remember when my wife was sick and, uh.....
-she died I prayed all the time.
-And, uh, there was no voice coming back to me.
-I did not know what to do.
この映画、前半部分と後半のCGIを交えた映像の作り方がかなり異質なものとなっていて、映画自体のテイストが異なっている。
What if I told you I had a plan ?
A plan to finally see it come to life.
-WHY ?
Because I know for a fact that it's the only
thing powerful enough to stop what's coming.
-AND WHAT MIGHT THAT BE ?
The end.
娘やほかの人類や地球を彼が救えるのかという大きなテーマがあるけれどもゾーイ役のロン・エルダードはかなり無理のあるキャラで個人的にはミスキャストではないかと思えたり、意味不明なシナリオや壮大な映像の迫力の中にたまに出てくる曖昧な映像を作ってしまっているCGIの出来などいろいろと不具合の散見できる映画であると言える。
個人的には、最後の審判(Last Judgement)において世界が終焉を迎えるとき、人間が過去に起こした行いにたいして、ギリシャ神話に出てくるCocytusの世界に行くのか、それとも天国とされるところに行くのか決定されるものを描きたかったのかということか?
曖昧なところのある映像、意味不明なところもあるシナリオ、それをすべて忘れた時にこの映画をサクッと観ることができた。
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