銃のレビュー・感想・評価
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好き嫌いがはっきりする映画かなぁ
私はとても面白いと思った。原作は知らないけれど、村上虹郎のはまり役なことは間違いない。
銃を手にすることで不幸な生い立ちの若者が自分の闇に囚われていく過程は、彼の演技によって独特な緊張感を生んでいる。そして、大学の女の子とセフレとしてのトースト女の対比も彼の内面を表していた。
狂気がつのっていく中、ラストの彼の表情が素晴らしかった。引き金を引いてしまった自分に驚いたような、アレ?何やってる?みたいななんとも言えない表情だった。
リリーフランキーの刑事役もお見事。
そして何より大好きな村上淳さんが、あんなとこで現れるとはねー。良かったです。
おかしいなあ。あと少しなんだけど。
モノクロ演出と銃の重厚感、村上虹郎くんの不気味な演技がよかった。
ある日銃を手にした青年の理性が少しずつ崩壊していく、というわかりやすいストーリー。目が離せないくらい引き込ませるわけでもないが、決して飽きさせない映像だった。普通の青年が狂気に呑まれていく、のではなく青春を謳歌しているように見えて心に底知れぬ闇を抱えている主人公だったからこそ、堕ちていく姿がわかりやすかった。ナレーションで傍白を入れることでトオル自らはあくまで冷静であることを示すが、心の中の闇が溢れてしまっている。ヨシカワユウコにどうして笑っているの?と言われるシーンが象徴的だった。「なに言ってるんだ?こいつ。俺は笑ってなんかいないのに」自分を制御できなくなっている。この微妙な変化を村上虹郎は不気味に演じていてとても薄気味悪かった。
ただひとを殺すだけ、ただ人が死ぬだけ、という行為が叶った瞬間に世界に色が付く演出はしびれた。
おかしいなあ、あと少しなんだけど
というのは、あと少しで元の世界(ヨシカワユウコが待つ世界)に戻れた、ということなのか、あと少しで死という欲望が果たされる、ということなのか、わからなかった。
音響がたまにつっこみたくなる感じでした...
要するに…
エレカシの宮本主演!!(笑)
似てるなぁ、って…私だけかな?!
ナレーションが理屈っぽかったり、白シャツ黒パンツに髪型まで、なんだかミヤジを連想させます。
彼が何を考えてるのか、映画観てるこちらまでわからない表情や言動。
映画の内容的には良いんだけど、感情移入は皆無。
ではこの映画の何が良かったのか…
そのフワフワした感情を体現した村上虹郎の演技。
アノ人の息子だっていうのは、レビュー読んで知りました(笑)
今どき珍しい、ほぼ全編モノクロで本人ナレーションで進む、ストーリー展開。
昔好きだったATG映画を思い出しました。
日南さんの美しい裸体。
カラーで見たかった!(笑)
きっとこれから、いろんな映画で観ることになるんだろうな。
リリー兄さんとの緊張した場面。
リリー兄さん、いつの間にか映画の華になるような役者になってますね。
この人が出てると映画が引き締まる的な役者さんに。
と、これだけ良い要素が揃ってるのに見終わった後の消化不良な感じ。
う~ん、何が足りなかったんだろうか。
要するに…
「タクシードライバー」と「野獣死すべし」と「十九歳の地図」をおにぎりしたような映画かな。
二番煎じ感が拭えない、何味なんだかわからない、まあまあ美味しいばくだんおにぎり的な映画でした。
絶対的な力❗
何者も屈服させる事が出来る力。
暴力。
銃‼
普通の人間がそれを手入れてしまったら。
主人公の前半のその事に対する高揚感に浸る映像には惹き付けられた‼
後半の狂気していく姿が甘かった、、
モノクロの最後がインパクト薄くなってる。
ラストの総天然色は秀逸‼
全編、総天然色でもよかったと思うけど。
ラストを原作者の意志を尊重した形にするとそうなるのか。
タバコとザリガニとトースト女
昔、山上たつひこの漫画で銃を手に入れたおかげで仕事も出来るし、女にもモテるし、セックスも強くなった男が描かれていたことを思い出した(アフリカ象にも象徴されてた)。銃社会ではない日本だからあり得る心理変化なんだろうけど、実際に撃つわけじゃないし、撃ってみたくなるように心が動いたわけでもない。やはり銃口が男性自身のメタファーとなり、硬いことはもちろん、まるで全ての支配者になったように錯覚し、陶酔した結果なのだろう。自信のなかった者が銃のおかげで強くなる。これはこの『銃』を持った西川トオル(村上虹郎)にも当てはまっている。
銃を拾ったことところから始まったおかげで、彼のそれまでの性格はわからなかったけど、合コンに付き合ってはみるが、積極的にセックスするまでは至らなかったのではなかろうか。銃を愛おしいように丁寧に拭き上げるシーンもまさにその心理描写。愛おしい男根と同じなのだ。ただし、付き合ってみたくなる広瀬アリスに対しては積極的にならなかった点がストーリーとしてはちょっと弱いかな。
撃ってみたくなる気持ちはまた別物。いい大人だったら、仕事にも精力的になりセックスが強くなっただけで満足するはずであり、試射する衝動についてはまだ成熟しきってない経験値不足の頭からくるものだろう。親に捨てられた過去のある大学生という設定がピタリと当てはまる。また部屋の様子を見る限り、養父母が裕福な家庭であることも想像できる。バイトもしてなさそうだし、オーディオやアナログレコードの膨大な数も・・・
途中から目撃証言により、トオルのもとに刑事が訪れるが、このリリー・フランキーと村上のやりとりは見もの。どちらも一歩も引かないぞという強い意志が感じられた。
児童虐待についての社会派要素も感じられたけど、殺したいはずの隣人の母親を撃つことができなかったのも興味深い。最終的には電車の中でのロクデナシっぽい男を衝動的に撃ってしまったトオル。その直後、モノクロ映像がカラーに変化する。心理描写としてもいい具合だったし、銃を拾う前は描かれてないがカラー映像だったに違いない。
本年度、タバコ吸いすぎ映画1位獲得!
2位以下は『伊藤くん A to E』、
『愛と仮面のルール』、
『ハード・コア』・・・
白黒演出で評判が難しい
村上虹郎さんのための映画だと思いました。退屈そうな日常から徐々に狂気に染まっていく感じに引き込まれました。
白黒したのには理由があるのだと思います。詳しく言うとネタバレになるので避けますが、やっぱりそういうことか、、、という感じでした。白黒での表現なので、衣装が白かったり黒かったり(当たり前ですが)、それにも意味があるのだと思います。
ただ、やっぱり白黒には慣れていないので疲れました。見にくい感じもあります。
退屈と言ってもいいくらいで、眠くもなりました。
白黒演出は、とても文学的な感じですし、虚無感や狂気がの表現が巧みとも言えます。最後の15分のために必要だったとも言えます。それでも見づらさもあるので、どっちを考えるかによって評価が分かれそうです。
ラストの15分はかなり引き込まれましたし、最後は「マジか、、、」と思いました。そして美しいかった。
村上虹郎さんに当て書きされたように感じるくらい、村上虹郎さんの映画だったととも思います。
歪んで行く感が足りない
原作未読で鑑賞しましたが、物語的に銃を拾った普通の大学生が銃を持っている事でどんどん歪んで行った上に人を殺す映画かと思って観ましたが、観終わったの感想としてはさほどの歪みも感じられず突発的な殺人で終了したのが残念。
主人公の生い立ちが複雑なのに、もったいない事にその辺もあまり活きてませんよね。
主人公が単なる普通の上京した大学生だったとしても同じ感触になると思います。
とはいえ白黒映像にしただけで単純な映画かとてもスリリングに感じられます。
これがカラー映像だったらつまらない映画になったかもしれませんね。
自分の周りの社会に興味をもてない、社会のルールにも鈍感なありがちな若者が、まるでブランドの洋服を着る事で感じる優越感と同じレベルで銃を身につけて強くなった気分になった程度の変化から脱してなかった感じを受けました。
大事な歪んで行く過程が足りないです。
不幸な生い立ちから産まれているはずの深い所に閉じ込めているだろう闇をもっともっとあぶりだして欲しかったな。
初の殺人トライで隣の虐待ママを殺せないのも普通の大学生だとしても同じだろうし、つまらないに日常にスマホ投げ出したくなる程苛つくのも普通の大学生だし、なんだか色々普通の情緒不安定な大学生を超えられてなかったね
コルト・ローマンMKⅢ357マグナム
銃マニアの稲垣吾郎曰く、護身用の銃器で短銃身タイプ故、遠くからは標準が合せにくいらしい。確かにその銃の特性に関係したストーリー進行があるから、或る意味その辺りは細かい演出がされているのだろうか。小説が原作なので、設定がされているのかもしれない。
作品内容自体は、銃を拾った大学生が、その銃の持つ特別な意味合いに段々と浸食されつつ、その非日常性に恍惚感と堕落に蝕まれていくという難しくはない構成である。隣の母親を殺そうと計画を立て、その実行寸前まで取憑かれた男は、しかし、その計画遂行までの自分の生い立ちに重ねたその母親を、寸でで殺すことを止めてしまう。それはやはりどんな酷い事をやられても“母”という切ることの出来ない存在への想いなのか、それとも馬鹿馬鹿しさを悟った故か・・・とはいえ、最悪の危機を脱した筈だった男はしかしその不安定な心理状態が治るわけでもなく、拳銃を捨てに行く途中の電車内で粗野な男を打ち抜いてしまうという唐突のエンディングで幕を閉じる。
そのラスト前の川へ捨てるシーンは、あれは完全なミスリードで、編集の不味さが表われていた。というのも小説の粗筋を読んでみると捨てに行く途中という内容で、作品だと、てっきり捨てた筈なのに実は捨ててなかったという流れだと勘違いしてしまう。あのシーンは電車内の男の夢の出来事であったのだ。きちんと夢のシーンなのか、回想シーンなのかを丁寧に作られてないと観客は戸惑うのではないだろうか。その辺りも含めて、内容的には大学生の情緒不安定さが生い立ちと相俟って、ユラユラ揺れている危ない状況を表現した興味ある作品だけに少々残念である『トースト女』役の女性の均整の取れた美しいプロポーションが目の保養になったことはここだけの話w
どこか共感できる狂気
拳銃を偶然拾った大学生のトオルはその緊張感に興奮を覚える。やがてトオルは銃の使用を考え始め…。
銃を持ち気にさ狂ってしまったのかと思いきや、もとからイっちゃってる系男子を演じた村上虹郎の不気味さが映える作品。クソ野郎ではあるのに彼の選択がどこか共感できる不思議さでした。
なぜか懐かしさを感じる映画
星🌟🌟🌟🌟退廃的な感じがするので人によって評価が分かれる作品だと思います❗自分は昔昭和の頃の石原裕次郎が主役の映画のような懐かしさをちょっと感じましたたぶん映画の撮り方だと思うのですが…ラストの電車の中の出来事は前のシーンからの繋がりで最初妄想だと思ったのですが 現実ならちょっと悲し過ぎます❗主役の村上虹郎くんが役にあってて私は楽しめました 彼が主役だから成立する作品だと思います❗あと真面目な役が多い岡山天音さんが遊び人の友人役で出てたり元モー娘。の新垣里沙が虐待する母親役出てたりと配役でも楽しませてもらいました❗私はみなさんにオススメできる作品だと思います❗
けっこうよかった
拳銃を拾っているのに残弾数を気にしないところはいかがなものかとまず気になった。しかも射殺しようとする相手がシングルマザーで、なにも銃なんて使わなくても2〜3発ぶん殴れば済む話ではなかろうか。
刑事のリリー・フランキーさんの追い込みは怖かった。オレならすぐにゲロってしまう。
結局銃を使った相手がマナーの悪い乗客で、せっかく銃を使うなら銃を使わなければ敵わない相手に向かって欲しかった。
最初にセックスさせてくれる女の子は部屋もきれいだし、きっと性格のいい子だと思う。うらやましい。
施設から里親の元で成人した里親映画でもあったが特に深く描かれていなかった。実父さんへのあまりな仕打ちには引く。
人は銃を持つと
人によっては気が大きくなるか、逆にビクビク生きるか。彼は前者だったけど、それが中毒に似た症状になり、やがて身の破滅へ。最後の頃のシーンは、映像に色が着いてからが、夢なのか、それとも現実なのか?エンディングが不明な感じでした。虹郎君は良い役者さんになってきましたね。最後にあんな形で親子共演があるなんて。
思考実験的な意欲作
予告編のとおり、コルトパイソン357マグナムという強力な拳銃を拾った若者が、銃によって変わっていく姿を思考実験的に描いている。主人公の行動の描写のそこかしこに本人のモノローグを挿し込むことで、努めて冷静で客観的であろうとする理性と、拳銃という強力な暴力装置を手にしていることの情緒的な不安定さを対比させている。
拳銃は所持しているだけで罪に問われるから、警察官を見ると、所持がばれて罪に問われる可能性が頭に浮かぶ。一方で、急所に向けて発砲すればほぼ確実に致命傷を負わせることができるから、クズみたいな人間を見ると、撃ち殺してしまおうかと思う。いずれも平静でいるのは難しい。
逆上がりが出来るようになった子供は、何度も逆上がりをして見せる。人間は何かが出来るようになると、それを試してみたくなるのだ。よく切れる刀を手に入れれば辻斬りをしたくなるし、強力な拳銃を手に入れれば威力を試したくなるものなのである。
村上虹郎がなかなかいい。人を殺せる武器を持っているという不気味な自信を持ったり、撃てば弾がなくなるし、人に見られたらただでは済まないことを考えて苛ついたりする振れ幅を上手く表現している。拳銃を撃ちたいが撃てない、持っていることを言いたいが言えない。拾った拳銃を冷静に管理出来るつもりが、いつか拳銃に振り回されるようになってしまう。
拳銃というのは素手に比べれば強力ではあるが、実はあまり大した武器ではない。なかなか当たらないし、急所を外せば反撃される恐れもある。圧倒的に勝つためにはもっと強力な武器が必要だ。そこで武器開発のエスカレーションが始まる。機関銃、グレネード、ロケットランチャー、大砲、戦車、戦闘機とエスカレートしていき、最後には核兵器に辿り着く。
これまで人を殺傷する目的で核兵器を使用したのはアメリカだけだが、核兵器を持っている国はアメリカ以外にたくさんある。それらの国が、逆上がりが出来るようになった子供のようにならない保証はない。目的も使命もなく生まれてくる人間とは違って、武器は人を殺すために生み出された道具である。持っていると、武器の目的に人間が影響されてしまう。トランプが北朝鮮に対して核兵器のボタンの大きさを言うのは、チンピラがポケットの拳銃をちらつかせるのと同じレベルである。何かあれば引き金を押すのだ。
コルト社はアメリカの銃器メーカーで有名なゴルゴ13の愛用するM16というライフルを製造している。今年の春にフロリダの高校で起きた銃乱射事件ではM16の民間用であるAR-15が使われた。乱射した19歳の犯人がライフルを手に入れなければ、17人も死ぬことはなかっただろう。銃が人間を狂気の行動に駆り立てたのだ。
いまはまだ起きていない核戦争だが、人類が核兵器を所持している以上、この先いつ起きてもおかしくない。核兵器は大量に人を殺戮する目的の道具だからである。道具はその目的によって人間を支配する。
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