銃のレビュー・感想・評価
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ダークで深淵を覗くような映画
どこか非現実的であり、共感もしないが、独特の緊張感が観る者を掴む映画
ある日偶然拳銃を拾った大学生が、拳銃の魅力に翻弄されていく物語…
全編モノクロ映像で語られ、それがどこか非現実的感を演出している。
拳銃の持つ魔性の魅力に取りつかれ、徐々に狂気じみた言動へ変わる青年の描写が丁寧に淡々と描かれており、それが独特の緊張感へと繋がる
とは言ったものの、彼の思考や考え、行動原理がイマイチ分からん
どこか人生を達観視しているような、感情を表に出さないような、暗い部分を背負ったような彼の雰囲気が良い部分でも有りつつ、どこかあまりにも分からなかった。
広瀬アリス演じる女子大生との会話で語られたような、どこか人生においてスッキリしないような感覚や迷いみたいなモノを彼は拳銃を寄り代にしてしまったみたいなものか?
謎めいた存在かと思いきや、意外と普通の女子大生でしかなかったなぁ
リリー・フランキー演じる刑事のイヤらしさ、怪しげな雰囲気はとても良かった
ラスト色味を戻していく映像は一気に現実感を放ち、どこか悲しげな余韻と衝撃を残す。
物語としてはシンプルだが、拳銃を手にして変わりゆく若者を(少々小難しい)心理描写と共に描く意欲作
原作にも興味が出てきた
好き嫌いがはっきりする映画かなぁ
私はとても面白いと思った。原作は知らないけれど、村上虹郎のはまり役なことは間違いない。
銃を手にすることで不幸な生い立ちの若者が自分の闇に囚われていく過程は、彼の演技によって独特な緊張感を生んでいる。そして、大学の女の子とセフレとしてのトースト女の対比も彼の内面を表していた。
狂気がつのっていく中、ラストの彼の表情が素晴らしかった。引き金を引いてしまった自分に驚いたような、アレ?何やってる?みたいななんとも言えない表情だった。
リリーフランキーの刑事役もお見事。
そして何より大好きな村上淳さんが、あんなとこで現れるとはねー。良かったです。
おかしいなあ。あと少しなんだけど。
モノクロ演出と銃の重厚感、村上虹郎くんの不気味な演技がよかった。
ある日銃を手にした青年の理性が少しずつ崩壊していく、というわかりやすいストーリー。目が離せないくらい引き込ませるわけでもないが、決して飽きさせない映像だった。普通の青年が狂気に呑まれていく、のではなく青春を謳歌しているように見えて心に底知れぬ闇を抱えている主人公だったからこそ、堕ちていく姿がわかりやすかった。ナレーションで傍白を入れることでトオル自らはあくまで冷静であることを示すが、心の中の闇が溢れてしまっている。ヨシカワユウコにどうして笑っているの?と言われるシーンが象徴的だった。「なに言ってるんだ?こいつ。俺は笑ってなんかいないのに」自分を制御できなくなっている。この微妙な変化を村上虹郎は不気味に演じていてとても薄気味悪かった。
ただひとを殺すだけ、ただ人が死ぬだけ、という行為が叶った瞬間に世界に色が付く演出はしびれた。
おかしいなあ、あと少しなんだけど
というのは、あと少しで元の世界(ヨシカワユウコが待つ世界)に戻れた、ということなのか、あと少しで死という欲望が果たされる、ということなのか、わからなかった。
音響がたまにつっこみたくなる感じでした...
要するに…
エレカシの宮本主演!!(笑)
似てるなぁ、って…私だけかな?!
ナレーションが理屈っぽかったり、白シャツ黒パンツに髪型まで、なんだかミヤジを連想させます。
彼が何を考えてるのか、映画観てるこちらまでわからない表情や言動。
映画の内容的には良いんだけど、感情移入は皆無。
ではこの映画の何が良かったのか…
そのフワフワした感情を体現した村上虹郎の演技。
アノ人の息子だっていうのは、レビュー読んで知りました(笑)
今どき珍しい、ほぼ全編モノクロで本人ナレーションで進む、ストーリー展開。
昔好きだったATG映画を思い出しました。
日南さんの美しい裸体。
カラーで見たかった!(笑)
きっとこれから、いろんな映画で観ることになるんだろうな。
リリー兄さんとの緊張した場面。
リリー兄さん、いつの間にか映画の華になるような役者になってますね。
この人が出てると映画が引き締まる的な役者さんに。
と、これだけ良い要素が揃ってるのに見終わった後の消化不良な感じ。
う~ん、何が足りなかったんだろうか。
要するに…
「タクシードライバー」と「野獣死すべし」と「十九歳の地図」をおにぎりしたような映画かな。
二番煎じ感が拭えない、何味なんだかわからない、まあまあ美味しいばくだんおにぎり的な映画でした。
絶対的な力❗
タバコとザリガニとトースト女
昔、山上たつひこの漫画で銃を手に入れたおかげで仕事も出来るし、女にもモテるし、セックスも強くなった男が描かれていたことを思い出した(アフリカ象にも象徴されてた)。銃社会ではない日本だからあり得る心理変化なんだろうけど、実際に撃つわけじゃないし、撃ってみたくなるように心が動いたわけでもない。やはり銃口が男性自身のメタファーとなり、硬いことはもちろん、まるで全ての支配者になったように錯覚し、陶酔した結果なのだろう。自信のなかった者が銃のおかげで強くなる。これはこの『銃』を持った西川トオル(村上虹郎)にも当てはまっている。
銃を拾ったことところから始まったおかげで、彼のそれまでの性格はわからなかったけど、合コンに付き合ってはみるが、積極的にセックスするまでは至らなかったのではなかろうか。銃を愛おしいように丁寧に拭き上げるシーンもまさにその心理描写。愛おしい男根と同じなのだ。ただし、付き合ってみたくなる広瀬アリスに対しては積極的にならなかった点がストーリーとしてはちょっと弱いかな。
撃ってみたくなる気持ちはまた別物。いい大人だったら、仕事にも精力的になりセックスが強くなっただけで満足するはずであり、試射する衝動についてはまだ成熟しきってない経験値不足の頭からくるものだろう。親に捨てられた過去のある大学生という設定がピタリと当てはまる。また部屋の様子を見る限り、養父母が裕福な家庭であることも想像できる。バイトもしてなさそうだし、オーディオやアナログレコードの膨大な数も・・・
途中から目撃証言により、トオルのもとに刑事が訪れるが、このリリー・フランキーと村上のやりとりは見もの。どちらも一歩も引かないぞという強い意志が感じられた。
児童虐待についての社会派要素も感じられたけど、殺したいはずの隣人の母親を撃つことができなかったのも興味深い。最終的には電車の中でのロクデナシっぽい男を衝動的に撃ってしまったトオル。その直後、モノクロ映像がカラーに変化する。心理描写としてもいい具合だったし、銃を拾う前は描かれてないがカラー映像だったに違いない。
本年度、タバコ吸いすぎ映画1位獲得!
2位以下は『伊藤くん A to E』、
『愛と仮面のルール』、
『ハード・コア』・・・
白黒演出で評判が難しい
村上虹郎さんのための映画だと思いました。退屈そうな日常から徐々に狂気に染まっていく感じに引き込まれました。
白黒したのには理由があるのだと思います。詳しく言うとネタバレになるので避けますが、やっぱりそういうことか、、、という感じでした。白黒での表現なので、衣装が白かったり黒かったり(当たり前ですが)、それにも意味があるのだと思います。
ただ、やっぱり白黒には慣れていないので疲れました。見にくい感じもあります。
退屈と言ってもいいくらいで、眠くもなりました。
白黒演出は、とても文学的な感じですし、虚無感や狂気がの表現が巧みとも言えます。最後の15分のために必要だったとも言えます。それでも見づらさもあるので、どっちを考えるかによって評価が分かれそうです。
ラストの15分はかなり引き込まれましたし、最後は「マジか、、、」と思いました。そして美しいかった。
村上虹郎さんに当て書きされたように感じるくらい、村上虹郎さんの映画だったととも思います。
歪んで行く感が足りない
原作未読で鑑賞しましたが、物語的に銃を拾った普通の大学生が銃を持っている事でどんどん歪んで行った上に人を殺す映画かと思って観ましたが、観終わったの感想としてはさほどの歪みも感じられず突発的な殺人で終了したのが残念。
主人公の生い立ちが複雑なのに、もったいない事にその辺もあまり活きてませんよね。
主人公が単なる普通の上京した大学生だったとしても同じ感触になると思います。
とはいえ白黒映像にしただけで単純な映画かとてもスリリングに感じられます。
これがカラー映像だったらつまらない映画になったかもしれませんね。
自分の周りの社会に興味をもてない、社会のルールにも鈍感なありがちな若者が、まるでブランドの洋服を着る事で感じる優越感と同じレベルで銃を身につけて強くなった気分になった程度の変化から脱してなかった感じを受けました。
大事な歪んで行く過程が足りないです。
不幸な生い立ちから産まれているはずの深い所に閉じ込めているだろう闇をもっともっとあぶりだして欲しかったな。
初の殺人トライで隣の虐待ママを殺せないのも普通の大学生だとしても同じだろうし、つまらないに日常にスマホ投げ出したくなる程苛つくのも普通の大学生だし、なんだか色々普通の情緒不安定な大学生を超えられてなかったね
コルト・ローマンMKⅢ357マグナム
銃マニアの稲垣吾郎曰く、護身用の銃器で短銃身タイプ故、遠くからは標準が合せにくいらしい。確かにその銃の特性に関係したストーリー進行があるから、或る意味その辺りは細かい演出がされているのだろうか。小説が原作なので、設定がされているのかもしれない。
作品内容自体は、銃を拾った大学生が、その銃の持つ特別な意味合いに段々と浸食されつつ、その非日常性に恍惚感と堕落に蝕まれていくという難しくはない構成である。隣の母親を殺そうと計画を立て、その実行寸前まで取憑かれた男は、しかし、その計画遂行までの自分の生い立ちに重ねたその母親を、寸でで殺すことを止めてしまう。それはやはりどんな酷い事をやられても“母”という切ることの出来ない存在への想いなのか、それとも馬鹿馬鹿しさを悟った故か・・・とはいえ、最悪の危機を脱した筈だった男はしかしその不安定な心理状態が治るわけでもなく、拳銃を捨てに行く途中の電車内で粗野な男を打ち抜いてしまうという唐突のエンディングで幕を閉じる。
そのラスト前の川へ捨てるシーンは、あれは完全なミスリードで、編集の不味さが表われていた。というのも小説の粗筋を読んでみると捨てに行く途中という内容で、作品だと、てっきり捨てた筈なのに実は捨ててなかったという流れだと勘違いしてしまう。あのシーンは電車内の男の夢の出来事であったのだ。きちんと夢のシーンなのか、回想シーンなのかを丁寧に作られてないと観客は戸惑うのではないだろうか。その辺りも含めて、内容的には大学生の情緒不安定さが生い立ちと相俟って、ユラユラ揺れている危ない状況を表現した興味ある作品だけに少々残念である『トースト女』役の女性の均整の取れた美しいプロポーションが目の保養になったことはここだけの話w
どこか共感できる狂気
なぜか懐かしさを感じる映画
けっこうよかった
拳銃を拾っているのに残弾数を気にしないところはいかがなものかとまず気になった。しかも射殺しようとする相手がシングルマザーで、なにも銃なんて使わなくても2〜3発ぶん殴れば済む話ではなかろうか。
刑事のリリー・フランキーさんの追い込みは怖かった。オレならすぐにゲロってしまう。
結局銃を使った相手がマナーの悪い乗客で、せっかく銃を使うなら銃を使わなければ敵わない相手に向かって欲しかった。
最初にセックスさせてくれる女の子は部屋もきれいだし、きっと性格のいい子だと思う。うらやましい。
施設から里親の元で成人した里親映画でもあったが特に深く描かれていなかった。実父さんへのあまりな仕打ちには引く。
人は銃を持つと
人によっては気が大きくなるか、逆にビクビク生きるか。彼は前者だったけど、それが中毒に似た症状になり、やがて身の破滅へ。最後の頃のシーンは、映像に色が着いてからが、夢なのか、それとも現実なのか?エンディングが不明な感じでした。虹郎君は良い役者さんになってきましたね。最後にあんな形で親子共演があるなんて。
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