「日本独特の愛を描いた最高傑作」愛がなんだ リンダちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
日本独特の愛を描いた最高傑作
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今作では距離感というものが非常に切なく描かれていたと思います。
成田凌演じる田中守、岸井ゆきの演じる山田テルコ。
若葉竜也演じる仲原靑、深川麻衣演じる坂本葉子。
このふたつの組み合わせ、違う形の愛のように見えて、
葉子は守と同じことをしている。ナカハラはテルコのように尽くしている。
作中で葉子は守に怒りの電話をいれますが、それは葉子が自分のしていることに気付いていない表れでもあります。
そのシーンで、この映画の深いメッセージに気付かされました。
日本人独特の、「言わなくてもわかる」という距離感、空気感。ハイコンテクストな社会が生み出した独特の恋愛観でもあると思います。作中のセリフにも登場していますが、「20代後半の恋愛なんて、「好きです 付き合ってください」で始まるものでは無いー」という感覚。まさにそれが現実であり、夢見がちなテルコの恋愛にとって大きな壁でもあるのだと思います。
「愛されていること」とはなんなのか、「利用されていること」とはなんなのか、「尽くすこと」は愛なのか。
映画を見終わったあとに残る感情は人それぞれなのだと思います。この映画の凄いところはそこだと思います。
結局どの恋愛においてもすれ違いは存在し、日本ではそれが顕著に現れているのではないでしょうか。
ハキハキした青春映画とはまた一味二味違った、
日本を代表できる恋愛映画だと思います。
素敵な作品をありがとうございました。
(円盤、原作、サントラ、主題歌その他諸々買わせて頂きました。)
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