「愛ってなんだろう。」愛がなんだ 虹孔雀さんの映画レビュー(感想・評価)
愛ってなんだろう。
岸井ゆきのがかなりいい味出してたと思います。ダメ男にこれでもかってぐらい思いを寄せていく照子の感情を自然すぎるほど表現が上手にできていました。
クライマックスでは、一瞬ですが、切なさの中に美しさを表現することが得意な三木孝浩監督作品を彷彿させるようなところがありました。(一瞬ですよ。でも良かった。)
愛ってなんだろうとか、そんなことでずっとぐるぐる回っている方がいたらぜひ観てみたら良いと思います。この作品は「愛ってなんなんだろう」ってずっと考えさせるし、答えは結局出てないんだけど、迷っている人には何か吹っ切れるようなところもあるかもしれない。
ある意味、人生って迷って苦しんでやっと手に入れる”当たり前”があるから、幸せを感じるところもあると思う。回りに回って、元の場所に戻ってきたとしても、それまで体験したこと一つひとつが無駄にはならないし、きっとその迷いの森を抜けたときには、誰よりもその森の道案内ができる人になっていると思う。
登場人物たちも、ほんともっと理性的に考えてみればいいのになぁ、なんて思うこと何度も出てきた。
でも、人生答えがあっても、道標があっても道に迷っちゃうことありますからね。
その答えに真っ直ぐに進めれば楽かもしれないけど、迷い悩み、一人孤独を抱きしめて生きることも、純粋に一途に好きな人を追いかけてみれるのも、青春の特権だ。
愛はきっと「人に対して見返りをも求めず与えること」なんだと思う。
でも、青春の中に必死に生きている登場人物たちにはそれはまだ分からないだろうと思う。
それでいいのではないか。いつか、本当に愛ってなんなのかという答えが見つかるならば、その体験はすべて無駄にはならない。
そんなことを考えながら、観てしまいました。余談が多すぎました。以上です。