「才に走りすぎ」スマホを落としただけなのに(2018) odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
才に走りすぎ
クリックして本文を読む
ガラケー時代のサスペンス「セルラー」が予想外に面白かったのでスマホならもっと凄いだろうと思って鑑賞。
まさに時代を反映したタイムリーなミステリー、それをホラーの巨匠中田秀夫監督が撮ったのだから痺れます、シャワーカーテン越しのショットはヒッチコックの名作「サイコ」へのオマージュでしょう、ホシの好みがハワイアンというのも凄いギャップ、遊びもいれる余裕は流石です。
詐欺とか成り済ましとかスマホを悪用されたら起こりそうなことは、まさにあるある、その上、変質者の手に落ちての猟奇殺人、それだけでも話としては十分成立するのに麻美の過去の秘密まで絡めるのは盛りすぎ、映画では母親に虐待の過去を持つ犯人と刑事の対比などさらに盛り込んでいますが才に走りすぎた感、監督のドヤ顔が見える気がします。
ただ、監督も美女をとるか悪女にするか悩んだのでしょう、原作ではAV女優なので顔バレ、過去を消す為の整形と成り済ましは必然だったのでしょう、流石に主役が北川さんだし、ハッピーエンドでは引きずると考えて変えたのでしょう、動機が弱くなった分エピソードが浮いてしまった、私なら思い切って過去の秘密はカットでのシンプルな一件落着を望むところですが根っからの業界人の原作者がそれでは納得しないでしょうね。
コメントする