「視点はいいと思うけど。結局は名作の真似事」スマホを落としただけなのに(2018) りょうさんの映画レビュー(感想・評価)
視点はいいと思うけど。結局は名作の真似事
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スマホを落としたというだけでくりひろげられるストーリーは良かった。
そこで隠した過去とむきあうことになる主人公。それを乗り越えるというか、受け入れる2人の男女の愛や信頼も良かった。そこでとどめておけば良かったのに。
ミスは、なにもかも犯人にさせたこと。
犯人は変質者であり連続殺人をするシリアルキラー。
それが、ただの興味本位で、ずるずると嫌がらせやSNSをのっとって過去の写真をおくったり、浮気をうたがわせるような映像を相手に送ったりしない。
それは一般の人がやるならわかる。
けどシリアルキラーなら、そんなことはしない。
すぐにとらえて殺すだろう。
甘い。
犯人逮捕のときも、刑事が言う言葉。これはレッドドラゴンの真似にしか見えないし、犯人の部屋も羊たちの沈黙を思わせる。
アトリエがあるなら、最初から、そこに住んでるだろ。被害女性の家にいる意味がない。Wi-Fiがあるからか?なんにしろ、犯人像の背景が雑。
面白ければそれでいいのかもしれないが、それなりに筋をとおしてほしい。
そこをきちんと描写できないから、あくまでB級映画という匂いがする。
羊たちの沈黙や、レッドドラゴンという名作の冒涜でしかない。
日本を背景なら日本らしく、動機も日本らしくきちんと書き上げろ。
むしろ怒りがわいてくる。
ただの真似事しか出来ない、陳腐な脚本、演出。
知的さのかけらもない。
最初のスマホのアイディアをただ丁寧につないでいれば良作になっただろうに。
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