「話題作だが深夜番組を映画化した程度の水準」スマホを落としただけなのに(2018) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
話題作だが深夜番組を映画化した程度の水準
総合:50点 ( ストーリー:50点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
話題になっていたから期待していたが、わざとらしい演技と演出、強引な物語に失望した。やたらと主人公が困っている都合の良い時期に近づいてくる人がいたので、犯人が誰かはすぐにわかってしまい、謎解きの面白さもなかった。主人公が友人と入れ替わっていたというのは想像していなくて唯一の驚きはそこだが、それも強引。
主題の目の付け所は悪くない。携帯電話とITが生活に非常に重要になり、当然そこに多数の重要情報があり、侵入されると好き勝手にされてしまうというのはわかる。だが昔の家庭教師の教え子と昔の男を引き合わせるとその人たちが強引に迫ってきて決定的場面が録画出来るとか、都合の良い出来事が簡単に起きすぎる。
同居していた友人の麻美はなぜ自分名義ではなくわざわざばれると困るし実行も困難な美奈代名義で借金をしたのか。まずは自分名義で借金するものだろうし、それでも不足するから闇金に友人名義で借金したのではないか。それでは美奈代が麻美に入れ替わったところで借金があることには変わらないだろうし、それがなくても簡単に身分を入れ替えられるとか、そんなに簡単に人生をやり直せるというのも疑わしい。
閉園した遊園地に電気が通っていてそれが稼働可能で、しかも殺しをするときにわざわざ目立つように稼働させるというのもわけがわからない。遊園地で遊具を稼働させながら殺人場面を撮影すると盛り上がるからそうしましたというだけでしょう。
もう何かと強引で突っ込みどころがあまりに多いし、それでいて演出が安い。それなりの話題作で大作なのだろうが、そんな水準の作品に思えなかった。深夜番組に金をかけて映画にしてみました程度のもの。まずは脚本の粗さをなんとかしてもらいたい。