「エンタメ映画」スマホを落としただけなのに(2018) 華さんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメ映画
実際にロケ地として遊園地が出てきますが、まさに遊園地のようなエンタメ要素の高い映画かなと思います。
深いようでそこまで深くはないのが残念ですが、見やすいといえば見やすいか。
この映画を観に行ったきっかけはただひとつ。
好きな芸人さん(バカリズムさんとチャンサカ)のお芝居を観たかったからです。
お二人とも、コントや漫才での演技がとても個性的で好みなので。
原田泰造さんが芸達者なことは分かっているので、そこは安定の泰三ということで。
なのに、チャンサカの出番があれだけで終わったことに関しては呆然でした。
まさか今ので終わりじゃないよね……と思いつつも、物語が進むにつれて「あれだけか……」という残念さがあったので今後は気をつけたいのですが、酒井健太という名前があれだけ上の方にあったら誤解しますよー!
各役者さんたちのお芝居は皆さん素晴らしかったり個性的で良かったと思うのですが、千葉雄大くんの滑舌の悪さがちょいちょい気になりました。
ラストあたりの「羨ましいれす!」では思わず天を仰ぎました。
ストーリーとしては非現実的な犯人像だったり、バカリズムさんの噛ませ犬感がすごく楽しかったですね。流石のお芝居だなぁと思いましたし。
不気味なシーンでハワイアンミュージックが流れてくる感じとかは好きです。
上映中、終始
いやだからさぁ、こういうインスタみたいなやつにいちいちどこどこで何食べたとかアップしちゃダメなんだって。誰に向けての報告なんだって感じだし誰がどこで何して遊んでようと世の中の人ほとんど気にしてないし、自己満足のためだけにこんなリスクとることないんだってー!! ていうかリスクしかないんだってー!! どうしても自慢したい写真とかがあったら、せめて何日か空けてアップしなよー!!
と延々ループしてました。
私としては、この作品に支払った1800円のうち、1300円くらいは成田凌さんへのお礼と考えています。この作品で初めて成田凌さんのお芝居を拝見したのですが、あんな漫画的な表情をリアルにあれだけ気持ち悪くやれる人ってすごいもん。ほんっとーーーに心底気持ち悪かった。四肢が長いので、遊園地シーンでニヤニヤしながら変な動きでピョンピョンしてるのも、殿様バッタの形態模写かと思いました。本当にすごい気色悪い。素晴らしい役者さんだと思います。
風俗嬢の髪を切ってかき集めているあたりの動作もすごいですし、目を見開いた顔も順調に気持ち悪くて最高でしたね。
田中圭さんも、冒頭、スマホを落としたことに気づいた時に公衆電話を使おうとしてバラバラと荷物を落としそうになりながら必死になっているお芝居が一番好きで、印象的でした。
複雑なパスワードの重要性などがクローズアップされて、自分のスマホやアプリに詰まっているパスワードのことなどを思い出しつつ観ていましたが……
私がたまたまなのかもしれないけど、個人的には、見られて困る写真とかアプリとかネットの履歴とかが本当にないので、これはおそらく、男性の方が恐ろしさを実感できるのはないかなと思いました。
エロサイト見ないし変な写真も撮らないし、連絡先も仕事関係者と家族ぐらいしかいないからなぁ……
あと、高橋メアリージュンの立ち位置が好きじゃないですね。(役名を失念しました)
彼女は友達ではないです。もし私があの立場なら、要潤を交えたご飯会の時に麻美を一人にはしないだろうし、要所要所で「そこまで麻美のことが心配じゃないんだなぁ……」と感じることが多かったです。
もしかしてこういう、表面上のノリだけで一緒にいる人のことを世間では「友達」とか「親友」とか呼んでるの?まさかね?? 的な、別の怖さがありました。
「黒髪の女への執着」とかいうのが、ちょっと古いかなと。分からなくもないですが、母親の要素って、外見的なものよりも内面性や雰囲気などのほうが記憶には残りやすい気がします。匂いも。あと、味。もちろん人によると思いますが。
視覚的に分かりやすいとは思いますが、安直過ぎやしないかなーと。
追伸
主題歌、嫌いではないのですが、ボーカルの女の子の安易すぎる表現が本当に苦手で、好きなのに聴けないという謎現象に悩まされています。
逃げられなぁーーい
のオバケっぽい感じ
あーあぁーーーーーー……
の最後の方、絶望っぽい雰囲気で声を掠れさせながら倒れゆく系の歌い方とか。
いや、怖さってそういう簡単なものではないよと個人的には思いました。
メロディも声も好きなのですが、歌もお芝居と同じで表現なので、エンドロールで一気に残念な気持ちになってしまいました。
曲は好きだし声も好きなんですよ! 頑張れポルカドットスティングレイ。