「"成りすまし"がほんとうの全体テーマ」スマホを落としただけなのに(2018) Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
"成りすまし"がほんとうの全体テーマ
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いやぁ、油断していた・・・そういうオチなのね。要するに"成りすまし"が全体テーマ。
志駕晃の同名小説の映画化だが、原作を読んでなくて正解だったと思う。意外なオチにまっさらな状態で観たほうが楽しめる。
カレシ(田中圭)が落としたスマホをきっかけに、麻美(北川景子)が個人情報の流出のみならず、命の危険にまでさらされる。
いまどきケータイやPCの乗っ取りなんて、当たり前。クレジットカード情報の詐取なんて、デジタルツールを使わなくたって、レジ担当の店員でもできる。
そのためにカード会社も厚くユーザー保護しているので、"ちゃんと明細はチェックしましょう"という注意喚起もある。
それにしても芸能人に限らず、プライベート写真が誤って流出したなんて話はザラにある。むしろ、スマホに恋人の半裸写真なんて大事に保存しておく方がバカだし、そんな写真撮らせる相手のほうも非常識だと思うが、どうなんだろう。"バカップル"ということなのだろうか。
デジタル加工が進化した今や、これからは"動画なりすまし"(本人っぽい動画)も増えてくるので、なんでも鵜吞みにするのは危険だ。
監督は、いまだに"「リング」(1998)の"、と言われる中田秀夫監督だが、ホラーばかりじゃない。原作モノの映画化が多いのは確かだが、今年はコメディの「終わった人」(2018)で、舘ひろしにモントリオール世界映画祭の最優秀男優賞をもたらしている。
セキュリティ会社社員役で成田凌が出てくる。同じく今週公開の「ビブリア古書堂の事件簿」でも似たようなポジションなので、両方観ると、思わず笑ってしまう。
(2018/10/2/ユナイテッドシネマ豊洲/ビスタ)
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