「アリアスターの作品人燃えがち」ヘレディタリー 継承 バスト・ラーさんの映画レビュー(感想・評価)
アリアスターの作品人燃えがち
主人公一家のおばあの葬式から物語はスタート
おばあちゃん子だったという娘がなんか不気味、話の端々でおばあちゃんも不穏な感じ、ふむふむ、子供が悪魔系のホラーやな!
と思ったら娘あっさり事故で退場、あれれ?お兄さんのほうも妹の面倒全然みないし、事故起こしてもそのままにして両親にも言わず就寝、こっちもおかしいのか?
自分も娘のことネグレクト気味だったくせに亡くなったら盛大に嘆き悲しむ&ショックを受けている兄を罵倒の母、更にそこに付け入ろうとする胡散臭い霊媒師みたいのまで参戦する…
と、一つ一つの要素は既存のホラーによくあるテーマだけど全部乗せ状態にされると展開もだれなくてちょっと楽しい
しかも黒幕が分かりだしても、実は◯◯はそこまで悪くなかった、ていうどんでん返しじゃなくて、登場人物の欠落や弱さが結局それぞれの末路に繋がってるてのもよかった
まあまあ早めに母親が夢遊病で所謂“信用ならない語り手”なことが判明して、このまま着地するのかとおもったらカルト出てきてとってもアリアスターだったw
でも今でこそカルト=アリアスターが定着したけどよく考えたらすごく変な終わり方なのでは
普通カルト系のホラーて親切そうな村人がじわじわ本性をあらわしてくるような(降霊術のおばさんも親切だったけど最初から怪しさMAXだったからなあ)そう考えればミッドサマーの方がまだ話しの流れはポピュラーなのか
映像面では奥さんが娘のスケッチブックを燃やすように旦那さんを説得するシーン、二人の温度差に思わずクスっとしてしまった、ふざけてる訳じゃないのに変に滑稽なシーンがあるのもアリアスター監督の特徴ですね
この燃やすシーンを筆頭にいろいろ怪奇現象起こるけど、実は不思議なことは何も起こっていなくて、母親が夢遊病中に見ている幻覚で(旦那さんを燃やしたのも兄を引っ張ったりしたのも本人)ラストも極度のストレスに晒された兄が妹だと思い込むようしむけられたて解釈で良いのかなあ?
H.ジェームスのネジの回転みたいにどっちともとれるようにしてあるのか