「人のあり方を問う怪獣がゴジラ」GODZILLA 星を喰う者 ビート板教室5年目さんの映画レビュー(感想・評価)
人のあり方を問う怪獣がゴジラ
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繁栄と開拓を求め、あらゆる犠牲を払いながら文明を押し進める人の営み、それが臨界点に達した時にゴジラは現れ人の人たる自由意志やフロンティア精神は終わりを迎える。
人の営みは自らとあらゆる他の生を巻き込んで、全てを終わらせてしまう自殺的行為でしかないのか?
グレンラガンがこれと同じテーマを下敷きにしていたと思う。
良質なゴジラ映画はゴジラという超存在の立ち位置をどう設定し、それに、翻弄される人間をどう描くかがほぼ全てと思う。
最近ではシン・ゴジラ。ギャレゴジもごりごりの米映画でありながら、水爆の力を否定した点で評価したい。
全ての祖である初代ゴジラは人間の業を忘れ浮かれる戦後間もない日本を蹂躙した。かつて日本を地獄にした水爆による怨念を忘れさせない崇高な存在だ。
しかし、その神も芹沢博士が開発するオキシジェンデストロイヤーによってあっけなく滅ぼされてしまう。
そんな人の業そのものである芹沢博士自身も自死する事で初代ゴジラ映画は幕を閉じている。
それはハルオも同じで、自分というファクターが人類には不必要な業そのものなのだと悟り、玉砕する。
どこまでも利他的な虚淵脚本らしい主人公だ。
そんな、ゴジラという存在理念に徹底して向き合った良質なシリーズだった。
怪獣のプロレスが必要なのであれば、それはランペイジでもいいわけでゴジラにはより崇高な役割が…といいつつも、怪獣の大暴れがもたらす興奮が皆無なので星は3.5。
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