劇場公開日 2018年11月9日

「音楽はA級、映画はB級。」ボヘミアン・ラプソディ まこさぽチャンネル(さぽしゃ)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0音楽はA級、映画はB級。

2018年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私が好きな「フラッシュ・ゴードン(クイーンが音楽担当)」は、
音楽はA級、映画はB級と言われる。
本作もこれに同じ。

音楽は良いに決まっている。

しかし他の音楽系自伝映画と比べる(ブルーに生まれついて、ローズ、RAY、ウォークトゥザライン、ストレイト・アウタ・コンプトン等々)と、
本作は映画としては平凡だ。

主演のラミ・マレックの演技は、単調で繊細さに欠けて滑稽でさえある。
上にあげた映画の主演俳優たちに比べると、口パク物真似を素晴らしいとは言えない。

他の俳優さんたちが素晴らしいので、勿体ない。

またあくまでブライアン・メイ(他メンバー)を通したフレディだ。
本人の気持ちを推し量って作るより、ブライアンを主人公にした方が自然じゃないか。
ブライアンはそんなに、自分の気持ちと向き合うのが嫌なんだろうか。

てかこんなこと言うのが無粋なくらい、クイーンの音楽は素晴らしい。

これは事実だ。

ただ、エイズだとメンバーに告白したフレディが、サヨナラの気持ちを込めて、ライブで「ボヘミアン・ラプソディ」を唄った。みたいな、やすっぽい感動を煽る演出には白けた(亡くなったの1991年だぞ)。

この映画を観た方は、「ボヘミアン・ラプソディ」の英語の歌詞を読んでほしい。

難しくないので理解できると思う。

フレディは、人種、宗教、性、容姿、何処かの誰かが作り上げた価値観と戦い、悩んでいた。
だけどそんなの、意味ないって気付いたんだよね。
だから、どんな風が吹いてきても、
Nothing really matters to meとなるんだ。

遺言的な内容じゃない。

ある時代まで、ロックは体制と戦う武器だった。
カート・コバーンが「ロックの核心は、反体制、反権力」だと言っていた。

だから拳でもなく、武器でもなく、「ROCK YOU」なんだ。

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夏斗