「音楽はA級、映画はB級。」ボヘミアン・ラプソディ まこさぽチャンネル(さぽしゃ)さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽はA級、映画はB級。
私が好きな「フラッシュ・ゴードン(クイーンが音楽担当)」は、
音楽はA級、映画はB級と言われる。
本作もこれに同じ。
音楽は良いに決まっている。
しかし他の音楽系自伝映画と比べる(ブルーに生まれついて、ローズ、RAY、ウォークトゥザライン、ストレイト・アウタ・コンプトン等々)と、
本作は映画としては平凡だ。
主演のラミ・マレックの演技は、単調で繊細さに欠けて滑稽でさえある。
上にあげた映画の主演俳優たちに比べると、口パク物真似を素晴らしいとは言えない。
他の俳優さんたちが素晴らしいので、勿体ない。
またあくまでブライアン・メイ(他メンバー)を通したフレディだ。
本人の気持ちを推し量って作るより、ブライアンを主人公にした方が自然じゃないか。
ブライアンはそんなに、自分の気持ちと向き合うのが嫌なんだろうか。
てかこんなこと言うのが無粋なくらい、クイーンの音楽は素晴らしい。
これは事実だ。
ただ、エイズだとメンバーに告白したフレディが、サヨナラの気持ちを込めて、ライブで「ボヘミアン・ラプソディ」を唄った。みたいな、やすっぽい感動を煽る演出には白けた(亡くなったの1991年だぞ)。
この映画を観た方は、「ボヘミアン・ラプソディ」の英語の歌詞を読んでほしい。
難しくないので理解できると思う。
フレディは、人種、宗教、性、容姿、何処かの誰かが作り上げた価値観と戦い、悩んでいた。
だけどそんなの、意味ないって気付いたんだよね。
だから、どんな風が吹いてきても、
Nothing really matters to meとなるんだ。
遺言的な内容じゃない。
ある時代まで、ロックは体制と戦う武器だった。
カート・コバーンが「ロックの核心は、反体制、反権力」だと言っていた。
だから拳でもなく、武器でもなく、「ROCK YOU」なんだ。