「孤独に立ち向かう勇気の輝き」ボヘミアン・ラプソディ REDXさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独に立ち向かう勇気の輝き
クライマックスとなるライブエイトで歌うフレディの姿に多くの人が感動と勇気を覚えただろうと確信する映画であった。
残り僅かの命で歌うフレディの姿が輝くほどに眩しく心打たれた。
それは彼が抱える「孤独」という「闇」に立ち向かう姿に多くの人が共感したからではないかと思う。
この映画では多くの「孤独=闇」が登場している。
1つ目はイギリスで育ちながらインド人という人種からの孤独である。
彼は映画にて自分のファルーク・バルサラという名前からフレディ・マーキュリーという名前に変えて活動を始める。
2つ目は家族(父)・友人からの孤独である。
劇中で彼は父に自分の活動を認めてもらえずに良い行いをするように言われ続け、家族を避けていたがライブエイトのチャリティに参加したのも父との対立からと推測される。そのことで父と最後に和解する。
さらに家族と思っていたバンドのメンバーには家族が出来て自分には出来ないことに対して孤独を感じ、自分の本当の姿を打ち明けることのできる人はいないと感じ、ソロ活動を始める。最終的には自分と対等に話ができるのはクイーンのメンバーだと気づき、謝罪してバンドを再始動をすることになる。
3つ目はセクシャリティからの孤独である。
彼はメアリーと婚約するも、男性を愛することから抗えずにメアリーと婚約を解消することになる。セクシャリティからの孤独により、生涯結婚することなく独身で終えることになる。
4つ目は生からの孤独である。
自分がエイズであり、残り僅かな命である宣告を受け、またクイーンとしてステージに立つ(すべての孤独と戦う)決意をする。
上記のような多くの「孤独=闇」との対立を描きながら、それら全てと最終的には真っ向から立ち向かい多くの観客を魅了するフレディの姿に心を打たれたのだろう。
1つ気なるのはタイトルである。
ボヘミアンラブソディは彼らの代表曲のひとつとなるのだが作品はあくまでフレディの孤独との葛藤を描いているので、そことの繋がりが全体を俯瞰した時に少し希薄な感じを思えてしまった。
楽しめるポイントは他にも細かなカメラワークなど挑戦的な撮影を試みていて、臨場感を演出されていた。
映画っていいですよね〜。