「やっぱりクイーンは最高のミュージシャン」ボヘミアン・ラプソディ Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱりクイーンは最高のミュージシャン
初来日時からのクイーンの大ファンとしては、何より選曲とその曲の配置とシチュエーションがとても素晴らしかった。Somebody to Loveから入ったが、期待通りであったことと、予想以上の音源の素晴らしさに涙。絶対外してほしくなかった、 Now I’m hereも、調度良いところで本物同様のダイナミックなパーフォーマンスと共に聞かせてくれて、ファン心を良く分かってるなと感激。そして、悲しく美しいメロディのLove of my lifeは、勿論メアリーとの絡みで。
ウエンブリー・スタジアムの映像は観客の合唱に感激させられ、ユーチューブで何度となく見てきてる。今回の映像、フレディ役のラミ・マレックは勿論、他の俳優の動きも、まさにクイーンがそのまま乗り移ったごときで、演じてる感も口パク感も全くなく、その映像と音の素晴らしさに大感激。さらに大観衆で一杯のスタジアム全体での一体感の再現が、予想をはるかに超えたかたちでなされており、コンサート観客を疑似体験でき、そこにそれまでのエピソードがよーく効いて、涙涙涙。
クイーンファンとしては、グループ誕生での出来事、曲の誕生エピソード、フレディ周辺の愛憎劇など知らなかったはなしも多く、大変に興味深かった。また、訳した歌詞の表示があり、慣れ親しんできた曲の新たな発見ができた側面もあった。そういう意味で、クイーンファンは勿論、そうでなかった方々をもクイーンの大ファンにさせる大きなパワーを持った映画だと思われた。
何より、劣等感、苦悩と孤独、そして愛するこころとプライド高いパーフォーマー精神が、多くの人間の共感を生んだフレディ・マーキュリーのミュージシャンとしての本質的魅力が、強烈に印象づけられた傑作であった。