「沖縄の現実と小さな恋のうたにまつわる話」小さな恋のうた 鯨さんの映画レビュー(感想・評価)
沖縄の現実と小さな恋のうたにまつわる話
沖縄出身のバンド、MONGOL800の楽曲小さな恋のうたを主軸にしたストーリー。
沖縄の人しかわからないであろう、米軍基地と生活の関係性、フェンス越しの異国、フェンスの隙間から片側のイヤフォンから届く音楽。
知識としては知っているけれど、実際の感覚とはこういうものなんだ、というのを目の当たりにした。
佐野勇斗の演技力はいささか不安な部分もあったが、MONGOL800の真似なので、歌が多少下手でもリアル感があるというか(MONGOL800自体がそこまで歌唱力で人気があるバンドではないと思っているので)、そこが味みたいなところがある。
山田杏奈は透明感と歌声は素晴らしい。演技はそこそこ。
森永悠希と世良正則が今回ミスキャストかなと。世良さん、はしゃいだ大人感だそうとしてすべってるよ…。
森永悠希、ちはやの時から好きな俳優さんではあるけど、色白の森永くんを沖縄らしく日焼けボーイにするのには、ただ肌に茶色を重ねたらいいってもんでもないと思う…。
森永悠希は山田杏奈と同じで透明感というか清廉さがある俳優さんなので、沖縄くさい泥臭さというか"熱い"と、"ノリの良さ"とか"お祭り大好き"みたいな感覚(沖縄のイメージ)と少しズレていたように思う。
前田郷敦はブレイクする前の吉沢亮的なタッチで描かれていて、いなくなってしまったあともたびたび登場するが、回数が割と多かったかな…。
出だしの記憶喪失のくだりは、見てる人が置いてけぼりになった感じがあったので、もう少しわかりやすいカットにしてほしかった。
佐野くんと山田杏奈の歌も曲のアクセントを変えたりして、デビュー前のアマチュア感というか学生感をプラスしてアレンジされてて、いいなぁと思って聞いていたけど、やっぱり本物のMONGOL800の小さな恋のうたがラストに流れると、しっくりくる。