「主演 清水富美加」僕の彼女は魔法使い 足元が寒いさんの映画レビュー(感想・評価)
主演 清水富美加
話の内容はよくある話です。
ラブコメみたいになっているので家族で観ても問題ないと思います。
また、宗教色はあまり感じられなかったので、清水富美加主演の映画として普通に楽しめると思います。
良かった点
・清水富美加
白い清水富美加、黒い清水富美加どちらもとても魅了的でした。白い方は、観ているこちらが恥ずかしくなるほどぶりぶりしておりました。
また、黒い方はまさに百合子さながらのクールビューティで、役の演じ分けが素晴らしいと思いました。
また、優一も清潔感があり良かったです。演技についてはまだまだこれからとい感じでしたが、清水富美加という役者の先輩の演技を参考にして成長してもらいたいと思います。
特に良かった点
・修行シーンの清水富美加
正直に申しますと、冒頭の登場シーンは何か胡散臭ささが漂い、雰囲気が変わったと感じました。
辛いことがあり、出家さらた故に変化があるのはしょうがないこと。
しかし、修行シーンになると私が知る以前の輝きを感じることができました。やはり不破万作氏の包み込むような安心感が、本来の清水富美加を呼び起こしたのでしょうか。
悪かった点
・善と悪は二分するのか
前回の作品を含めて2作目となります。
前回はアルファ様が強大な力を前に、悪を膝まつかせ、排除していました。
今回は主人公達が黒の魔術師を滅ぼしました。
作品を通じて感じることは、「絶対的な善」があり、それは「愛の力」によってもたらされるものであるということです。
しかし、その愛は「悪なる者」には向けられないのでしょうか。
たしかに白の魔術師を滅ぼそうとし、そのために百合子をそそのかした事は許されるものではありません。
だからといって神と共闘して凄まじい力で滅ぼす事は、これもまた悪ではないのでしょうか。
譲治の滅ぼされる恐怖から来る表情が、目に焼きついています。
魔法おじいちゃんの「精神と時の部屋」の様な空間に閉じ込めて、反省するまで永遠に出でこれない様にする選択肢はなかったのでしょうか。
昨今社会問題になっている児童虐待。
親の思い通りにならないからと言って、暴力で服従させ、終いには命まで奪ってしまう。
世の中には言葉による躾だけでは、どうにもならない子供がいることもまた事実と思います。
だからと言って滅ぼしてしまうのではなく、物置に閉じ込めて自らの行動を反省させる時間を与えることは、必要な躾だと思います。
このように、譲治一派も魔法おじいちゃんのあの白い部屋に閉じ込めれば、百合子も間違った行動を起こさなかったのではないでしょうか。
善とは相対的なものであると私は信じております。対立する両者、愛の向けられる方向は違えど、どちらも愛故の行動なのです。
・カラスについて
日本においてカラスは厄介者として広く知られております。
しかし、カラスと言えば八咫烏。神の使いのカラスを悪として描くのどうなのでしょうか。
白いものは善で、黒いものは悪なのでしょうか。
私はファッションに疎いので、黒い服を着ることが多いです。
黒いから悪であるというなら、今後黒い服は控えたいと思います。
因みに黒い服を着た清水富美加はとても魅了的でした。
・Hold On
劇中とエンドロールで流れます。
少々歌詞が冗長すぎると思いました。伝えたいことが沢山あるのでしょうけど、作文をそのまま歌詞にしたようでした。
日本語は同じ事を伝えるにも、色々な言い回しがあります。同じ言葉でも漢字、ひらがなで相手に伝わる印象も変わります。
・最後に
やはり清水富美加という強力な役者を起用することで映画としてのクオリティがぐっと上がります。
今後も清水富美加を中心としたキャストにして、ほかの役者さんの成長が感じられる映画を期待しないと思います。