「ずっと飛んでいないから、こんなにきれいなんだよ」まく子 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと飛んでいないから、こんなにきれいなんだよ
いくつかしっくりくるセリフはあった。おまけに、コズエ役の新音の存在感は確かに抜群だった。サトシの大人になりだした感もまずよかった。
しかし、ほかの大人たちの笑顔が、どうも嘘くさくってしょうがなかった。あのファンタジーを、世間というものをまだ知らない子供たちが信じるのはわかるが、何故大人たちがあれほど純粋無垢な連中ばかりなのだろう?それでは、子供と大人の対比があいまいじゃないか。ようするに、いい人ばかりしか出てこない映画からは、嘘くささしか感じない。そんな映画の中の大人どもは、気付きとか後悔という人間としての成長のない、根っからのお人よし集団としか描かれていないと思ってしまうのだ。それは、この映画の作りがイマイチのせいもある。
たぶんこのストーリーがアニメだったなら、素直にファンタジーとして受け入れられたんじゃないだろうか。実写ではリアリティがなく、アニメならリアリティを感じるだろうなんて、おかしな話だけど。
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