劇場公開日 2018年12月7日

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「単純でありふれたい物語、という以上のもの」青の帰り道 SHさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0単純でありふれたい物語、という以上のもの

2018年12月15日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

話や人物設定がシンプルで、正直、展開は用意に読めた。しかし、意外と奥深いところを感じたし、分かりやすかっただけに作品の意図がよく理解できたようなところがあって、この映画は現代における普遍的なテーマのようにも思えてしまった。
若者像があまりに短絡的な気がして、こんなバカ者の描き方でいいのか!?と思ったけれど、冷静に自分を振り返ってみると程度は違えどやっぱバカやっていたという記憶が蘇る。ただ当時は単に真剣に生きていただけの結果そうなっていただけで、スクリーンの彼女らも同じようなもので、愚かなことをしているわけじゃなくてそう見えているだけに過ぎない。肯定はできないけれど、やり方が分からないわけだから、納得はできる。
彼らを見ていること、それは同時に自分の痛し痒しを見せられている気がして、観賞は非常につらいものだった。
その中でも、工藤夕貴の演技や台詞にはオアシスを感じたし、やっぱどうあがいてもみんなバカを通過して生きていくんだなーとじんわりきてしまった。
最後には作品タイトルの良さも感じ取ることができたし、長くてつらい時間だったけれど、いい映画だったのかなと思っている。

SH