「美しいって罪なんだって知りました。」Diner ダイナー ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
美しいって罪なんだって知りました。
恐ろしいのに、美しい…。
蜷川実花さんの描く世界はこんなにも美しいのか…。
繊細に描かれた色彩の数々に、圧倒されっぱなしでした。
赤を基調とした料理は、血をイメージする感じのはずなのに、食べたいと言う欲求に駆られてしまう、その美しさ。
主人公のボンベロの料理を食べてみたい…。
でも、その料理を食べるには、死が迫った地獄の門をくぐらないといけない…⁈
いや〜、代償はなかなか厳しいものがある。
美味しい料理を食べるには、自らの命をも危険にさらして食していくのですから…。
それでもやってくる異常な殺し屋たちの、変態っぷりがとにかく凄すぎ!
中でも、キッドを演じた本郷奏多くんの変態っぷりがヤバかった(笑)
普段から偏食で細くてちょっと変な人だと思っていたから、この役は適任だと納得してしまいました!
人を笑いながら殺していくその異常者は、みている人の心を恐怖に陥れる。
まさに変態!
いろんな変態殺し屋がいますが、やはり彼の変態度はNo.1ですね(笑)
そして、このレストランを経営するボンベロを演じた藤原竜也さんの圧倒的な演技力!
どの出演者も個性的で素晴らしいけど、藤原さんの演技はずば抜けていました!
特にラストの戦闘シーンは、圧巻の一言。
アクションの続く殺し合いは、息もできないほどの緊迫感でした。
彼の演技力はどこまで進化していくのでしょう?
今後の彼の演技に期待です!
ただ、正直なところ、ストーリーが自分の思い描いていたものと違ったところが残念。
もっとミステリー要素の強いストーリーなのかと思っていたのですが、案外殺し屋ありきの話でまとまっていたところが惜しかった…。
もっと、こちらでも考えさせられる部分があるのかと思ったのですが、ひたすら殺し屋同士の駆け引きばかりでした。
観ているこっちは、映像を追いかけていくだけと言うところで、物足りなさを感じてしまいました。
まあ唯一こちら側が楽しめたのは、「ウォーリーを探せ」のように、豪華な女優や俳優陣を探せる楽しさがあったところ。
あの有名な人がこんなちょい役で出ているなんて…。
有名な方々があちらこちらで出没いていたので、どこに誰が隠れているのかを探すことも面白かったです(^^)
小栗旬があまりのちょい役で終わってしまったところも、ビックリ!
なんて贅沢な使い方なんだろうと、逆に感心してしまうほど…。
そう考えると、このダイナーという映画は、料理だけでなく、キャストの人選に至るまで、豪華に贅沢に仕上がっていることを感じさせられました。
こりゃ相当お金がかかっていそうな予感。
この映画をきっかけに、蜷川実花さんの世界が、世間に幅広く広まっていったら良いですね(^^)