「原作好きにはおすすめできない。」Diner ダイナー shimaさんの映画レビュー(感想・評価)
原作好きにはおすすめできない。
漫画→原作→映画と見てきましたが、ストーリーの流れは原作通りで、死ぬキャラがきちんと死ぬ、という部分は好感が持てました。
料理やセットなど美術面はとても艶やかで、Dinerの雰囲気や世界観にぐっと引き込むものだったと感じます。出演者の方々も豪華です、見た目はとても絵になっていました☺︎
そして、窪田正孝さんが好きな人は見ても後悔はないかと…!もっと好きになるんじゃないでしょうか?そこまで興味のないわたしでも、声のトーンや仕草に「かっこいい…」なんて思ってしまったので!!!
個人的に熱かったのは真矢ミキさんです。
活躍が見られるのはかなり最後のほうなんですが、美しすぎました…。
原作では男である無礼図をどう演じるのか気になってはいましたが、あれもあれで、良い。足を広げて座っているカットがあるのですが、心を持っていかれました。ただ座っているだけで溢れる強かさを感じました。
綺麗かつかっこいい、素敵な真矢ミキさんが見られたのが嬉しかったです。また、側近が真琴つばささんなのがたまりませんでした…。
ここだけは豪華キャストに感謝です。
原作を知らずキャストが好き!って方々でしたら、それなりには楽しめるのではないでしょうか??
さて、これくらいです、良かった点は。
何かの動画で監督は一番かっこいい藤原達也を撮る、と言っていましたが、それがコレなのかと思うと本当にがっかりです。
ご覧になるみなさんがどうかわかりませんし、うまく説明出来ませんが、わたしは『ボンベロ役の藤原竜也』が見たかった。あれは『ボンベロという名の藤原竜也』です。
ああいったカタチでボンベロを落とし込んでしまったのが悲しかった。
冒頭の数十分もあの薄ら寒い劇仕立ての独白である必要があったのでしょうか?正直眠たくなりました。
殺し合いゲーム、と称してるわりにはそんなにハードなバトルはありませんし、アクションシーンも迫力をあまり感じません。
キャストも豪華な方々を起用していますが、ほんとにこの人である意味があった?と言いたくなるものばかりの演出。
そしてわたしが一番残念だったのは、あからさまな恋愛要素を取り入れてしまったこと。
確かに原作でもヒロインであるカナコが「ふたりで店を営む姿を浮かべる」というシーンがあります。ただそれはさらりとしたもので、読み手としてもそういえば…なんて思う程度のものです。ラストのシーンも、ただいつか来るかもしれない彼を心晴れやかに待っているだけ。
その終わりが、カナコの心情の変化を一番に見せたくれたものだと思っていたのに、映画ではそれを「男女でいたらこういう要素は必要だよね」なんて思惑がありありと感じられる、随分と安い恋愛モノにされてしまって、本当に本当に残念でした。
百歩譲って恋愛要素を認めるとして、せめて最後のシーン足元だけ映して終われ。予約席を作っておく、という台詞は良かったです。それだけです。
原作や漫画から入り、映画を楽しみにされている方にはまっっったくおすすめできません。観たいと感じている方は1000円以上もお金をかけてわざわざ映画館で観ず、少し待ってレンタルで良いのではないでしょうか??