「ケレン味溢れる演出。狂乱の果てに待つ、己の存在意義とは。」Diner ダイナー 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
ケレン味溢れる演出。狂乱の果てに待つ、己の存在意義とは。
【賛否両論チェック】
賛:ボンベロとカナコの不思議な絆を通して描かれていく、「自分が存在している意義」というテーマが、意外にも胸を打つ。色彩豊かな独特の世界観や、豪華キャストも魅力。
否:ストーリーは割と有って無いようなもので、ツッコみどころだらけ。ケレン味たっぷりの演出も好みが分かれるほか、殺害シーンもメッチャあり。
凄腕の元殺し屋が営む食堂で働かされることになった、孤独な少女。最初は殺し屋の店主と命が風前の灯火のウェイトレスという、殺伐とした関係性にすぎなかったボンベロとカナコが、客である殺し屋達のトラブルに巻き込まれていくうちに、次第に奇妙な絆を育んでいくのが印象的です。
そうした2人の絆を通して訴えかけられていく、「自分の存在意義」というテーマにも、思わずグッときます。カナコがボンベロに告げる、
「ここにいる。要らなくても、ここにいる。」
というセリフや、ボンベロの
「お前が、お前を必要としているんだ。」
という言葉がステキです。
ただやはり何といっても好き嫌いが分かれそうなのが、そのケレン味たっぷりな演出の数々。ストーリーなんかは有って無いようなもので、超豪華なキャストが演じる一癖も二癖もある殺し屋達も、良くも悪くもブッ飛んでいるキャラクターばかりなので、その辺りが苦手な人には向きません。
レーティングこそありませんが、殺害シーンもかなり多めです。いろんな意味で、観る人を選ぶ作品といえそうです。
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