劇場公開日 2019年7月5日

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「シュールでマッド」Diner ダイナー おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0シュールでマッド

2019年7月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

原作未読ですが、殺し屋が集うダイナーというぶっ飛んだ設定を予告で見て、興味をもったので鑑賞してきました。その設定に蜷川監督の映像美が加わり、開始数分でシュールでマッドな世界に引きずり込まれました。

訪れる客は殺し屋というより奇人変人の類でしたが、それぞれにキャラが立っていたので見ていて飽きませんでした。ただ、人物の掘り下げはないので、彼らが何を求めて集うのかがイマイチわかりませんでした。そして、物語がどこへ向かっているのかもよくわかりませんでした。

そんな、何を見せられているかわからなくなりそうなところで、物語はボスの跡目相続争いへと舵が切られていきます。しかし、冒頭から時折インサートされるカナコの回想とも内言ともとれる描写から、ストーリーは単なる設定の一つだと気づかされ、もはやどうでもよくなってきました。

結局、描きたいのはカナコの成長であり、ボンベロの変容だったのではないかと思いましたが、それならもう少し丁寧に描いてほしかったところです。クライマックスで、二人とも急に人が変わってしまったような違和感を覚えました。藤原竜也くんはもちろん、玉城ティナさんもいい演技をしていたので、脚本が残念だったとしか言いようがありません。それなのに、ラストシーンは予想どおりで、条件反射で目頭が熱くなってしまいました。不覚…。

おじゃる