劇場公開日 2019年7月5日

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「壊れた少女のおとぎ話」Diner ダイナー 彬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5壊れた少女のおとぎ話

2019年7月5日
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舞台劇のような雰囲気のファーストシーン。
蜷川監督の持ち味である美しい華やかな世界が目に楽しい。
そして出てくるキャスト出てくるキャストが美しい。
個人的に窪田正孝さんのアクトには不覚にも胸が疼いてしまった、いろんな作品で拝見してきましたが本作での佇まいは本当に素敵でした。

主人公の感情の軸や行動の軸が破綻している(ように思える)ので、脚本が惜しいなぁ、もっと面白くなるのになぁ、と思いながら観ていましたが(生意気すみません)、これは

「彼女がおおばかだから(名前の通り)」
もしくは、
「彼女の目を通したおとぎ話だから」

と思うことで納得できます。
彼女の目を通したおとぎ話なので、外の世界は描かれないし、都合の悪いことや、説明しなくても良いこと、汚い部分は描かれないのです。
と思うと「なるほど!」となりました。

個人的には、あの舞台設定を活かしたもう少しリアリティのあるドラマが好みなので、前半のモノローグをセリフだけではなく画で見せていただき、全編通して少しピッチを上げて描いていただけたらハラハラドキドキしてもっと楽しめたなぁ、と思いました(個人の好みですが)。

とはいえ、あの美しい世界は一見の価値ありです、お時間あればぜひ。

彬