劇場公開日 2019年5月10日

  • 予告編を見る

「強い女は淑女たれ」RBG 最強の85才 andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0強い女は淑女たれ

2019年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

RBG。字面だけで強そうなルース・ベイダー・ギンズバーグ。
少し前に「ビリーブ 未来への大逆転」を観たが、あの作品は彼女を描いた劇映画であり、本作は現在の彼女に、過去から迫っていくドキュメンタリー。
ルース・ベイダー・ギンズバーグの強みは母からの教え「淑女たれ」に尽きるのかもしれないと思った。淑女たれ、は男の後をついてあるくような傅いた女性であれ、ということではない。感情的にならぬこと。煽られても怒らないこと。理で詰めること。すぐ感情的になってしまうので自省しなければと思わされる。
彼女はとんでもなく優秀なワーカホリックであり、「彼女を目指す」のは恐らく現実的なことではない。明らかに働き過ぎだと思う。しかし、彼女の明快な思考、冷静さ、公私の分け方など人生のコントロール法には大いに学ぶべきものがあると感じた。特に最近は皆怒りに駆られがちだから。
保守化するアメリカで彼女の言葉が響き、時代のアイコン化しているのには驚きつつも納得する。そして彼女はそういうことを軽く受け容れているように見える。拒絶でも熱狂でもなく、常に彼女は自分の立ち位置に立っているのだ。格好いい女性だと思う。
「淑女たれ」がひどく心に残る映画だった。料理ができなくても淑女にはなれる。いやそれだけじゃないけど。
そして家族が素敵だった。夫は勿論、子から孫に至るまで。度量の大きい家族、というやつだ。今だから笑っていられるのかもしれないが...。

andhyphen