劇場公開日 2019年5月10日

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「RBGは結構チャーミング」RBG 最強の85才 マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5RBGは結構チャーミング

2019年5月19日
PCから投稿

知的

ルース・ベーダ―・ギンズバーグの魅力を描いた映画です。

頭脳明晰で、穏やかで、しかも美形。
幸せな家庭を築き、伴侶にも恵まれ
あ~この人、完璧じゃん、と思ったら、
なるほど、家庭人としては・・・。ま、当然か。

しかし、仕事はまさしくプロフェッショナル。
というか、85年間の生き方が信念に貫かれている。
だからこそ
彼女の言葉には重みが感じられるのです。
権利の獲得は
「誰か」や「みんな」ではなく、
個人の闘いの積み重ねの歴史であった、
それが今のアメリカを作ってきたのだと
理解できます。

ひるがえって、
私たちの国はどうでしょうか。
判決について最高裁判事の賛否が報道されたなど、
寡聞にして知りません。
最高裁の裁判官に関して情報発信がないに等しいのに
国民審査という形だけの制度の存在に、
日本の民主主義、国民主権の限界を感じます。

アラバマでは、
性犯罪被害による妊娠でさえも中絶禁止の
法案が可決されたという報道がありました。
日本でも、
性犯罪の加害者への無罪判決が
くり返されています。
人権とは、弱々しい虚構だと私は考えます。
だからこそ、それを守り育てる営みは
永遠に道半ば。
RBGに励まされたと感じる人は多いのではないでしょうか。

マツドン