劇場公開日 2019年5月10日

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「怒りをあらわにしてはいけない」RBG 最強の85才 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0怒りをあらわにしてはいけない

2019年5月12日
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「ビリーブ」で扱われた判例は、シングルファザーへの補助金についてだったが、この映画では、ほかの女性差別やマイノリティに対する差別などについても紹介される。
ビリーブや、グリーンブックなど、差別がテーマの映画が心持ち多いと感じるのは、昨今の分断主義の台頭のせいだろうか。

よく考えると、日本も例外ではない。
単に、女性の社会進出の割合が少ないというだけではなくて、天皇の退位即位を機に考えさせられる、天皇の男系男子をめぐる議論もそうだ。
天皇の男系男子は、日本の伝統文化だと主張する人がいる。保守系右派と言われる人達だ。
男系男子は伝統文化か?
複数の妃が可能な状況の慣習ではないのか?
百歩譲って、慣習が伝統文化になる場合もある。
ただ、それは、伝承や、信仰や、生きていく上で大切にしていた民族の何かが背景にあるからで、男系男子は、それに該当するのか?

保守系右派は、じゃあ、ローマ法王が男子しかなれないのもおかしいから、そっちにも抗議しろという的外れな議論をしようとする人もいる。
ローマ法王は宗教の話で、国民主権、男女平等、信仰の自由がある民主主義国家、日本の問題と一緒にしてはいけない。
大学のゼミの議論で、論点が外れてると注意を受けるケースと一緒だ。

保守系右派の中に、女性は大地で、男性は種だという人がいる。
種は種で、大地ではないのだから、種は種で守られるべきだというのだ。
ん?どっちかといえば、女性は雌しべで、男性は雄しべのような気がする。
実は、種も実も女性で、場合によっては、大地も女性で、これでは男性の存在意義がなくなるではないか!
保守系右派には厄介な考え方だ。
まあ、兎にも角にも、変なことを主張する人には生物を勉強し直すことをお勧めしたい。

そして、つまりは、ルースが言う通り、怒りをあらわにしてはいけない。
冷静に対応する方がベターなのだ。
冷静に日本の現状を整理して考えてみても、必然は何か明らかではないか。

ルースが最高裁判事を続けてることに批判的な人にも、年齢に対する偏見があるかもしれない。

人は、ジェンダーや、民族や、肌の色や、国籍や、出身や、そして年齢でチャレンジを諦めてはいけない。
そんなことを感じさせる作品だと思う。

ワンコ