「翼」RBG 最強の85才 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
翼
RBGが「ビリーブ 未来への大逆転」で鑑賞した印象よりも寡黙で真面目な人だったのが意外でした。現在のRBGはちょっとしたジョークを言ってましたが、若い頃はもっとくそまじめそうな感じ。そんなRBGと夫のマーティンの性格が正反対であったことやマーティンが当時の男性にしてはかなり柔軟な考え方を持っていたからこそ、彼女は本来持っていた才能を発揮できたのだと思いました。最近マララさんの父親がインタビューで「娘に教育を与え、翼を切らなかっただけ」と言ってましたが、親が翼を切らなくても女性は社会に出れば嫌でも翼を切られてしまう事が多いです。特に結婚相手の影響は大きい。今のRBGの地位は、マーティンの存在無くしてはありえなかったと思いました。
アメリカの若者達がRBGの話を聞きたがり、ポップアイコンとしていることに凄く共感しました。私もRBGの話しを聞いてみたい。だけど今の様に女性運動が盛り上がると必ずバックラッシュが起こります。日本でのme tooはイマイチ盛り上がりに欠けているのに、バックラッシュなのかそもそもがナチュラルに男性優位な社会だからか、野党の女性議員に対する嫌がらせ、詩織さんへのバッシング、実の娘に対する性的虐待が無罪判決になるなど、ちょっと今の日本は考えられない状況だと感じます。そんな社会への怒りは治りませんが、信念を燃え尽きさせない様に熱くなりすぎないこと、ガス抜きに乗らずに静かにその火を消さないことが、慣習と闘うには最善の方法なのかもしれないとRBGを観ていて思いました。
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