「「夜明け」の意味を、ずっとかみしめている。」夜明け 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
「夜明け」の意味を、ずっとかみしめている。
新宿ピカデリーにて舞台挨拶あり。
訳ありそうな青年と、彼をかくまう初老。二人をとりまく人たちを含めて、誰目線でこの物語に入っていくか。そこで感想が異なってくるだろう。
ロケ地は千葉のようで、東から昇ってくる太陽を考えれば、ベストチョイスだと思った。映画の中でも、ようやく明けてきた朝の陽ざしが横顔に照らされる場面が出てくる。タイトルのとおり、まだ若い感情や、未熟な人格や、これからの新しい人生や、そんなものがうまく投影されているように感じた。
この映画を観終えた感想はそれぞれあるはずで、それだけ余白を残したラストであった。監督は、「共感できるところもあるでしょうが、違和感も感じるでしょう、それを大事にしてください」と言っていた。そうなのだ、立場が変われば見方も当然変わってくる。人がこだわることが不思議に思えたり、またはしないことにじれったくなったり。そういうことに、ただ反発を覚えるだけでなく、なぜその人がそう言うのかそうするのか、考えてあげることって大切だと思う。つまり、それが違和感を大事にしてみることだ。違っていて当たり前じゃないか。それは、観る側の過ごしてきた人生によるのだから。
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