七つの会議のレビュー・感想・評価
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されど金
主演の萬斎さん演じる八角さんが、
緊張が走る大きな会議で居眠りをして、お咎めナシ…という小さな謎から、作品は始まる。
八角さんは、業績を伸ばす優秀な営業一課に席をおく。
八角さんを陥れようとする者は、全員異動をさせられる。
その謎は……!
作品は、会社のあり方や人間の自身を保身することについて切り込んでいる。
小さなちょっとした「ん?」「なんで?」からスタートして、
社会や、また働く人に対して訴えるメッセージに決着させるのはうまいなぁと思いました。けど、
小さいお金で幸せを感じない?成績、出世…いかんせん好みではないので、遠目に観ていました。
ご存知の通り、役者さんはみなさん素晴らしくお芝居は圧巻、お話も良くできている作品です。
野村萬斎と香川照之という異種格闘技戦を楽しむ
テレビの連続ドラマで池井戸潤作品を楽しんでいる方々にどう映っただろうか。
これはまさしく、れっきとした映画作品といえる。
テレビでしか出来ないことは、映画にわざわざ持ち込む必要はない。
そんな気概を作り手たちから感じることが出来た。
普段は狂言の世界に生きる野村萬斎と、歌舞伎役者でも香川照之の静かな(静かでもないか、汗)対決を存分に満喫した。池井戸作品でおなじみのキャストがずらりと揃うなか、朝倉あきの存在感は新たな収穫といえるのではないだろうか。
現代の滑稽劇
野村萬斎はすごい。彼の芝居が1800円で観られるのは安すぎる。しかも片岡愛之助や香川照之の芝居まで堪能できる。役者の芝居を堪能するだけでお買い得感が半端ない。
数字の偽装というタイムリーな題材で、多くの人間が右往左往する姿は滑稽だ。狂言や歌舞伎や落語がずっと描いてきたような人間の滑稽さが溢れている。これは現代劇だが、どうして伝統芸能出身の役者をたくさん起用しているのかというと、そういうことなんだろう。人間のやることはいつの時代もあさましく、悲しく、滑稽なのだ。
たかがネジ1本の強度データの話だが、ネジ1本に人の命がかかっている。しかし保身はそのことを人に忘れさせてしまう。自分だったらどうしただろうと始終考えながら観ていたが、もし人生に失うものが多ければ、自分には八角のように行動できないかもしれないと思った。八角にはすでに多くを失っている人間だからこそ、ああいう行動ができるのかもしれない。
みなさん顔面がお強い
学芸会みたい
シーンが切り替わる際の不自然さが気になった。
頻繁なトランジション、コミカルなナレーション、論点の強引な持っていき方にダサさを禁じ得ない。
経済ドラマの重みとマッチしていない。コメディドラマなら良いのかもしれないが、編集が物語への没入を阻害しているように思える。起承転結の持っていき方が学芸会のようであった。その分、スピード感、わかりやすさはあったのかもしれないが。
あと、メインキャストの朝倉あきさんのコメディ感溢れる演技が煩くて合ってなくて、なんか恥ずかしくなってしまった。彼女の演技が一気に作品を学芸会へと押し上げているように思う。
あと、最後の主人公による説教はエンタメにおいて一番やっちゃいけないことだ。セリフで伝えたいことを表現するのは面白みに欠ける。
とはいえ、会社の偽装を暴いていく全体のストーリー軸に興味惹かれる部分はあったし、日曜劇場常連メンバーや野村萬斎には迫力があった。
5.0 人生観を変えられる名作、宝物のような映画
4.5 何十回と見返したい傑作、何年経っても思い出せるほどの感銘を受けた映画
4.0 複数回見返したい秀作、自信を持ってお勧めできる映画
3.5 見返すほどではないがとても面白い良作、観る価値がある映画
3.0 所々ツッコミどころはあるが面白い佳作、観ても時間の無駄にはならない映画
2.5 面白くないが最後まで観れる凡作、暇であれば観る価値のある映画
2.0 頑張ればなんとか最後まで観れる駄作、観ても時間の無駄となる映画
1.5 寝てしまうほどつまらない愚作、作り手を軽蔑する映画
1.0 論外、話すに値しない映画
無駄なシーン無しの上手くまとまった🎥映画🎥だと思う⁉️
学生の時に見ていたらまた違う感想だったはず
この映画は、当時の日本企業のイかれたガバナンスを象徴する事件を題材にしており、組織に属する人々の葛藤を見事に描いている
この映画のように、道徳的に正しくありたいという人間の根幹を担う感情と、組織の中で与えられた役割を全うしなければならない重圧に挟まれ、心のネジが壊れてしまった人たちが実際に多く存在したのだろうと、そんなことを思いました(ネジを物語の主要なモチーフにしたのはそういった意図もあったのかも)
視聴者が社会人かどうかによって、特に社会人であれば自分の役職に応じて感想が変わる作品かもしれません
学生の時に見ていたら大して面白いと感じなかったかも
「正義」は勝つ!
とても面白かったです!
THE池井戸潤原作ドラマ!という感じで、
半沢直樹を彷彿とさせる展開でしたが、
最後はスカッと大逆転する感覚が気持ちいいです。
日本のお家芸である製造業の世界で繰り広げられる
達成至上主義の親会社の圧力から子会社で発生したリコール隠しがテーマ。
苛烈なノルマを達成するためには手段を選ばず売りまくる。
出世競争に勝つために上司の言うことは絶対。
想定しうるリスクよりも所属している会社の成果を優先。
サムライ魂といえば、聞こえはいいがコンプライアンス遵守の時代に
本当の「正義」とはなにか、日本の会社組織はどうあるべきなのかを
考えさせられる映画です。
個人的には、子会社社長が親会社からの依頼を断り切れない上下関係に同情しながらも、
いざ問題が発生し、責任問題に発展した際に見せた、自己保身に走る姿を反面教師にしようと思いました。
自分が選択した全ての結果発生する責任は自分にある、というところからブレずに職責を全うする八角さんに強く共感し、とてもカッコいいなと感じました。
重いテーマとバラエティ豊かな俳優が演じる絶妙な雰囲気の映画
池井戸ワールドを描くには尺が短すぎた?
怒号の中を歩き抜ける八角
これは面白かったねえ。サラリーマンのってだけではなく大人のあるあるネタを少年マンガのノリで魅せるエンターテイメントだったね。
怒鳴りまくる大人たちの中を野村萬斎演じるぐうたら社員八角がのらりくらりと走り抜ける、ではなく歩き抜ける。
コメディのような乱れた風貌はシリアスにし過ぎないバランスを作品に生み出した。しゃべりが少々大袈裟なのも良かったよね。
それを見守るのは作品のナビゲーター担当の原島と浜本。
二人は私たちと共に八角の回りで起こる不可解な出来事を探っていくことになるが、同時にキャラクターたちのナレーションのような独白が次々と刺激的に紡がれていきハイスピードサスペンスのようだった。
作品冒頭の会議のシーンで怒鳴りまくる北川部長が居眠りをする八角に何も言わないというのは、まあ同期だからってのもあるだろうが、作品にこれから何が起こるのかわからない暗闇の状態ではなく、少し先に何が起こるのかを暗示しているので、北川はなぜ何も言わないのか?の一点だけでも序盤を面白く観る推進力には充分だったね。
しかもドラマが動き出すのはそのあとのパワハラ騒動からで、直接的には北川部長関係ないという、原島じゃないけど一体どうなってるんだ状態でワクワクしたよね。
不正とは正しくないこと。正しいというのが価値観や概念によって曖昧だから多数の人が正しいと判断すること。それに反する事が不正ならば、作品内で起こる不倫や会議中の居眠りだって不正だし、人のあとをつけて私生活を探るのだって不正だ。コロナ禍にマスクをせずに買い物の列に並んだりとかね。独り暮らしでないのなら服を脱ぎ散らかしたりだって不正だろ。
大小様々な不正があり、誰もが何かしら不正を働いている中で、事が大きくなり限界突破するのは力を持った一部の人間が「正しい」の基準をねじ曲げて押し付けてくることにある。
力が人を狂わせる作品は多いけど、これもそんな作品の一つかなと思った。
すごく面白かったんだけど難点をあげるなら、映画としての風格が足りなかったね。
演出とかお金のかけ方とか、とてもテレビドラマっぽい。
地上波放送があればもう一度観たいが、スクリーンでリバイバル上映してても観たいと思わないもの。
いっひっひっひっひっひっ
見る人全員が思い当たる節があるような映画
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