「野村萬斎の存在感。」七つの会議 earlgrey bergamotさんの映画レビュー(感想・評価)
野村萬斎の存在感。
偶然にも半年程前に映画化することは知らぬまま原作読了。毎月かなりの量を読むので原作ストーリーを忘れかけていたが、これまた偶然にも映画の前宣伝を見かけ、封切り初日に子ども達と楽しみに出かけた。
野村萬斎氏も香川照之氏もそこから醸し出す独特な世界観の存在感…ということを差し引いても最初から惹きこまれ、あっという間のエンディング。
観ていくうちに あー、そうだったーとストーリーの記憶を呼び起こされ、そうした曖昧な記憶の答え合わせ⁈や原作をどうアレンジしているのかということを考えるのも自分の中では楽しかったですね。
自分の中では何箇所か原作とのすり合わせでアレッ?と思った箇所もなくはなかったけれども映画なのだから、エンタメなのだから、という尺度で換算すると細かいことは忘れて丸ごと楽しんでしまおうというそんな思いにさせてもらえる作品でした。
レビューの中では萬斎さんの演技に賛否あるようで、それを目にしていた自分自身も幕があくまでちょいと不安もありましたが、作品を見始めたら逆にあの風貌と一風変わった話し方や雰囲気は全然許容範囲でしたね。というよりあれぐらい灰汁があっていいんじゃなかろうか。萬斎さんとサラリーマン、また香川さんと相まってすごい化学反応でしたよ笑。期待を裏切られなかったですね〜。
大学生の子供2人も帰り際、池井戸作品最高!と高揚してました。少し前に彼らの推薦で観たマスカレードが推薦してきた子ども自身を含め少し期待外れだったので今回、これぞ!と思える作品に出会えて親子で楽しかったです。企業ドラマはこれから就活を控える子ども達とそういった話題でも気軽なとっかかりとして帰り道に話をすることができ、親としては本音を聞かせてもらえるありがたい機会。そんな広がりも与えてもらえました。
客層は私を含め中年層の男性多し。私の後ろに萬斎さんファンと思しき中年女性もおられましたが萬斎さんのリアクション一つ一つに笑ったり感嘆したり、その様子にこちらもちょっと笑っちゃいました。
またもう一度観に行くか思案中。
息子はこれ連ドラでもっと深く見たかったとのこと。同感!後引くわー笑