「あまり評価されていないストナー・ホラー」バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
あまり評価されていないストナー・ホラー
映画の冒頭、このサイコパスがいかに残忍なのかがわかる馬を鞭で打ち付け、挙句には銃でとどめを刺す少年期のケールの姿で始まる。
マセラッティとしたらエンブレムが異常に小さいスポーツタイプの車が、ショーンとデレックが駐車係として働く"ニノ"のレストランの前に横づけされる。
人を威嚇するように高飛車で命令口調なのが鼻につく男、ケールが言う。
It's paddle-shift, so don't go breaking the ears off
thinking it's granny's Vauxhall.
............................(略)
デレックが、お世辞を言っても
-Oh, that's .......that's a beautiful car, sir.
Yeah, don't fucking touch it.
なんて返ってくる。思いっきり出だしから、嫌な野郎丸出しの演技をデビッド・テナントがかましている。特に映画サイトのレビューなんかを見ていると、彼の演技に関してはあまり悪いことは聞かず、むしろどちらかというと好意的な意見が聞くことができた。しかしながら、彼のアメリカンアクセントについてだけは、もう少し勉強すべきであると指摘があった。BBC放送のお化け長寿Sci-Fiテレビ「ドクター・フー」のエイリアンとされる地球の危機を救う偉い人なのだが、その相棒は確か地球人女性が、多かったような?1990年代のものをある国で見ていたのだけれども変ちくりんなロボットも登場していたのを記憶している。ただ残念なのは、彼の回を一度も見ていなかったと思う。この映画では、彼は目だけで演技をしていたような。
ケールは、すぐに自宅にだれか侵入したのに気づく。
主人公のコソ泥なのに正義感丸出しの好青年のショーン役のロバート・シーハン。そのたぐいまれなる顔から忘れようにも忘れることができない人で、ニュージーランド人監督のクリスチャン・リヴァースが作った"A box-office bomb"大炸裂の映画「移動都市 モータル・エンジン(2018)」に出演していたのが、記憶に新しい。
女性監禁物としては、古くはウィリアム・ワイラー監督、主演がテレンス・スタンプ、サマンサ・エッガーの映画「コレクター(1965)」や新しいところではM・ナイト・シャマラン監督、ジェームズ・マカヴォイの主演映画「スプリット (2016)」などがあるが、この映画のサイコパス・ケールは、いかにも人を見下し、しかも頭脳明晰で、人を必要以上に追い込むのを楽しみ、またショーンが考えることはすでにお見通しで先に先手先手で人を罠に引き込もうとする。両親は仕事を失い、愛する彼女とも別れさせられ、ついにはショーンとデレックはレストランも辞めさせられてしまう。
警察に足がつかないように、一度使った携帯は、いつでもどこでもポイ。ハイテク機器でできているケールの自宅でさえも、意図も簡単に爆破させてしまうサイコパス。終いには、
"I am the decider!"
なんて、監禁している女性・ケイティに叫んでしまっている。
映画の原題「Bad Samaritan」は、真逆の言葉"Good Samaritan laws"を揶揄してつけられたものと想像するが......?
一説には230年以上前に創刊されたロンドンを中心とする新聞紙Times (UK)の記事の抜粋、「仮にこの映画が、拷問ポルノに向かって突き進んだとしても監督の経験の少ないディーン・デブリンはあたかもヒッチコックばりのものを真似している。」1967年創刊の、政治からモダン芸術まで幅の広い隔週雑誌Rolling Stoneのコメント、「元ドクター・フーにおいてスターであったデビッド・テナントはこの在庫映画を詐欺師や連続拷問者として映画を盛り上げているが、それでもまだ混乱していて、観客のみならず、彼はもっと称えれるべきである。」
amazon.comではすでにプライム・ビデオとして配信されていて、おおむねレビューなどを見ていると受け入れられていて、わざわざ映画館に行く必要のないエネルギーを使わなくても済むもので、高画質、高音質でたのしめamazon.comの英語字幕はもちろんのこと画面左上に表示される俳優の過去の作品を映画の途中で検索でき、また映画にまつわるトリビアやかかっている曲の題名も教えてくれる。日本のアマゾンは、そのようなことはさらさらしないし、時代遅れの映画や安っぽい映画しか流さないか、料金を馬鹿なほどとる。
テナントさん、苛性ソーダを扱うときは、ゴーグルも着用したほうがいいですよ........!