「成長は難しい」劇場版 SHIROBAKO kiritohyxさんの映画レビュー(感想・評価)
成長は難しい
個人的な映画鑑賞体験全体から言うと、正直なところあまり良いとは言えません。その最大の理由は、またしても自分の日本語力を過大評価してしまったからです。『SHIROBAKO』のようにジョークや専門用語が満載の台詞量の多いアニメでは、基本的に60〜70%以上の細かい部分が聞き取れず、感情を完全に没入させることができませんでした。周りの人が感動して泣き始めたシーンでも、私は画面の表現に少し感動する程度でしかありませんでした。
物語は、制作中のアニメが強制的に中断され、破産危機に瀕していたテレビシリーズの4年後、武蔵野が再起を図り、主人公の宮森が初心を取り戻し、比類ない愛情と行動力で仲間たちを集め、劇場版を制作するという全体的な企画に挑む話が中心です。
私にとって、『SHIROBAKO』を観ていた当時は、ほぼ毎回泣きながら観ていました。それが感動的な話だからなのか、それとも自分に感動を与えてくれる作品の裏側の制作者たちへの敬意と驚きによるものなのかは分かりません。ただ、ゼロから始めるクリエイターたちやその環境について知ることで、より一層の敬意と「上には上がいる」という謙虚な気持ちが湧いてきました。
そして『SHIROBAKO』のもう一つの重要な意味は、自分が本当に愛する分野を見極め、それに向かって努力することを示唆してくれたことです。今の自分にとって、「本当に好きな分野を見つけ、そこに身を置く」という命題は、ある意味タブーのような話題です。今の私は、何度も考え、選択を重ねた結果、現実的に選べる唯一の道を進んでいるような状態です。だから、とりあえずこの道をしっかりと進んでみようと思います。
また、子供の頃に抱いていた科学への好奇心と情熱を常に思い起こし、この世界で自分の居場所を見つけたいと願っています。そのためには、まずは自分を鍛え、思考をさらに広げていきたいと思っています。すべてを受け入れ、かつすべてを疑う心構えで、絶えず前進していくことが、今の自分の状態や立ち位置だと思います。
第三に、自分が本当に望んでいるのは、志を同じくする人たちが集まって、同じ好きなことに全力を尽くし、結果が良くても悪くても心からの笑顔を共有するような瞬間を持つことです。この瞬間は、私にとって非常に世俗的な思考であり、人間の社会的な本能に沿ったものです。確かに、一人で自分を成長させ、強くなることは社会で生き抜くための秘訣ですが、宝のようなチームを持つことで、まるで別の次元の満足感に到達できると思います。
生きているうちにそういった機会が巡ってくるか分かりませんが、もし訪れるなら、それまで自分を磨いていきたいと思います。