劇場公開日 2020年2月29日

「仕事の楽しさと厳しさ、目的を持つことの大切さ」劇場版 SHIROBAKO Dポッターさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5仕事の楽しさと厳しさ、目的を持つことの大切さ

2020年3月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

あれから4年後、まさか武蔵野アニメーションが…。
宮森あおいの奮闘と挫折と、そして諦めずに最後までみんなで「劇場版」を作ろうと足掻く姿はテレビ版より引き継がれているP.A.Worksの働く人シリーズのアニメーション「SHIROBAKO」らしさ全開です!
仕事の楽しさと厳しさ、そして働く上で大切なことを改めて作品を通じて教えてくれる良作です。

この作品は兎に角、登場人物が多いので初見の人は多分観にこないと思うけれど出来れば試聴済みでも復習してきてからだと尚良いと思います。
それぞれの4年後の姿、上司と部下、先輩と後輩、師匠と弟子、同僚と元同僚…月日が経ち、それぞれの成長の軌跡が垣間見れます。関係性は少し変わっても、一人では出来ない、みんなで作り上げていくというアニメーション作品は何処か古き良き時代の日本の家族的な社会や会社のようでもあります。(今はアニメーション製作もブラックだなんだと言われ、綺麗ごとではない時代ですが)
この作品だけでなく、テレビ版でもアニメーション制作の現場がどんななのか、劇場版制作現場がどんななのか。伝えてくれるのも本シリーズの魅力だと思います。

みんながそれぞれの役割を果たして、そして作品が完成する。それはどんな仕事でも共通する話かと思います。
みんなが集まって、アイツがいなきゃ、アイツだったら…ああでもないこうでもないと意見を出し合って。ちょっとした事でやる気になったり、つまづいたり、妙にブラックな所もリアリティがありますね。

登場人物たちは総じて女性たちが一枚上手で大人です。男たちは途中で出てくる子どもたちみたいな所が妙にリアルですね。
宮森にバブみを感じる男性もいるのでは。少なくとも自分は感じたけど(笑)監督にとって宮森は奥さんか彼女か、はたまたオカンかも。
個人的には遠藤君の奥さんが黙って旦那の再起を見守り、さりげないのにヤル気にさせる姿にグッときました。そして遠藤君のさりげない優しさや不貞腐れ方も、リアルですね。

あとキャラクターの生活感溢れる姿…あの方の素の姿や宮森のちょっと親父くさい所とか台所汚い所とか、変わらずにみんなで集まって飲んでいる姿とか、相変わらずの扱い方の巧さとか、作り手のキャラクターへの愛情を感じる作品です。制作に携わった沢山の関係者の皆さん、素敵な作品をありがとうございます!また続編出たら絶対観にきます!

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