「良くも悪くもオールスター総出演」劇場版 SHIROBAKO そらのばさんの映画レビュー(感想・評価)
良くも悪くもオールスター総出演
面白かったかと問われれば間違いなく面白かったものの、どこか釈然としない思いが残る作品でした。
そう感じたのは端的に、主人公が不在の作品だった、という点につきます。
お題がオールスター総出演ではないかと思うほど、TV版の数多くのキャラクター達が登場しますが、その物量に押されて本来メインであるはずの(TV版の時点で疑問符はつくが)5人の出番が減ってしまい、薄い作品になっていました。
確かに彼女達は、作りたい想いと現実の葛藤から成長を見せます。
そして短いスケジュールの中で団結を見せ、ムサニの面々が集結していき、お祭り独特の高揚感があります。
しかしながら、作品作りというメインプロットに、彼女たちの成長というサブプロットが載っているに過ぎず、感情移入やカタルシスがあったのかと問われれば首をかしげずにはいられません。
本作はTV版から4年後という設定で、状況の変わったキャラクター達の近況を見ることができます。
その変化量に対し、作中での成長が相対的に小さく見えてしまった、という弊害もあるのでしょう。
コメディの入れ方は、TVを遥かに凌ぐものがあっただけに、少し残念でした。
また5人の若い情熱と成長が見れるといいなぁ。
コメントする