引っ越し大名!のレビュー・感想・評価
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今度はお国替え
参勤交代からお国替えに話を変えたが中身はお馴染みの幕府の政策に振り回される大名の家臣の苦労話、キャストもテレビでお馴染みのメンバーで終始、明るくミュージカルまで取り入れたコメディ映画。
城主松平直矩は5回もの国替えをさせらたのは史実ですが豊後日田(大分)への国替え、減封は本家にあたる越後高田藩の御家騒動の巻き添えを食ったもので閉門まで命じられています。悪役はお馴染み柳沢吉保、同時代の忠臣蔵松の廊下を思わせますが男色がらみの遺恨は脚色、道中襲われたことも無く高橋一生の為の見せ場づくりでした。
一生さんが振り回す名槍御手杵(おてぎね)は3.8mもの大槍で日本三大名槍のひとつ、下総国結城家の家宝でしたが直矩の父直基が結城家の養子になったことから受け継いでいました、資料によると松平姓に戻っても家紋は結城巴を用いたとあります、劇中では葵の御紋でしたが陣太鼓に結城巴の印がありましたね。
プロットも断捨離やリストラなど現代風に上手にアレンジされていましたが犬童監督のコメディ演出は歩き方や倒れ方、セリフ語りにもわざとらしさが鼻につくのが難点と言うか気になりましたが大衆受けを狙ったのでしょう。
引っ越しは戦でござる、勝って錦を飾りたい
映画「引っ越し大名!」(犬童一心監督)から。
本当にあり得そうな話を、シリアスに描くのではなく、
コミック調に、軽快に笑い飛ばす展開で面白かった。
戦国時代の参勤交代、国替え、借金、減棒の苦労は、
事実としては知っていても、なかなか現代の社会と重ねて
想像することは難しいので、こういった楽しい作品があると、
歴史の苦手な人たちにとっても、受け入れやすい気がする。
さて「引っ越し奉行」なる奉行が存在したかはどうかは不明でも、
やはりどの時代でも、それを取り仕切るリーダーの存在は、
必要なんだな、と思う。(もちろん、影の力も大切であるが)
そして、引っ越しを効率良くこなすためのマニュアルも。
なぜか、このノウハウを詰め込んだマニュアルの存在は、
デジタルになったとはいえ、今の時代でも、役に立つ。
今回の主人公の前任者 (板倉重蔵)が残した「引越しの指南書」
「道具見切之術會得」「整理整頓之法會得」などと書かれたもの。
作品の中で紹介されているのは、3つの項目。
(1)歌こそ人々の心を1つにするものなり
(2)整理とは捨てることなり
(3)身体を保て、たどり着くまで
もっともっと知りたくなった「引越しのノウハウ」。
今で言う「断捨離のすすめ」とも言える。
成功の秘訣は、引越しをただの作業と捉えるのではなく、
「引っ越しは戦でござる、勝って錦を飾りたい。
共にたどり着こうぞ」と鼓舞したり、
「これは合議の理不尽に対する我らの戦でございます」と
「戰」というのは単語を使ったところにあるなぁ。
P.S
作品中「引越し奉行」という単語は頻繁に出てくるが、
「引越し大名」という単語は、一度も出てこなかった。
どうして、タイトルは「引越し大名!」なんだろうか。(笑)
「ふざけた」と感じてしまえば、笑えない
松平家の引っ越しを取り仕切る、新任の引っ越し奉行の活躍を描く物語。
実際に7回もの国替えを経験した松平直矩の史実を基にしたコメディタッチの時代劇。
コメディタッチではありますが、コメディの面白さより『ふざけている』との印象が強い作品でした。
例えば衆道の描写とか。
例えば切腹を強要するシーンとか。
例えばチャンバラシーンとか。
私には、ふざけた不愉快なシーンにしか感じることが出来ずに、評価を大幅に下げざるを得ませんでした。
あと、ミスキャストですかね・・・特に高橋一生は、豪放な剣客を演じるには少し重さと迫力が足りないように感じました。
ただ、ラストへの展開は素敵でした。藩主直矩と藩士達の絆、土と共に生きることの素晴らしさを感じることが出来て、少し感動しました。
表面だけサラッと撫でただけ
原作未読です。原作では各キャラの性格、行動をもっと描写しているかもしれませんが、映画ではそれは感じられませんでした。
高橋一生演じる鷹村が、星野源演じる片桐を引っ越し奉行に推薦する理由もよく分からん。高畑充希演じる於蘭(以前の引っ越し奉行(故人)の娘)の設定もあやふや。
引っ越しの知識が無い片桐がアタフタして何も進まない(切腹寸前まで追い込まれる)が、当初、亡き父を評価せず、業績を横取りした上士を恨んでいたが、片桐の真摯な姿勢に心動かされて、父の残したマニュアルを持って来るとドンドン引っ越しが進む。
でも、この時、於蘭は藩とは父の死により関係無い人間。それが、実質引っ越しを指揮している。
うーん、誰か以前の引っ越しを覚えている人間が居て、於蘭の父が実質取り仕切っていたのだから、何か資料を残しているんじゃないか?と最初の段階(誰が奉行をするか決める時)で言い出さないかなぁ。シングルマザーの於蘭が今までどうやって生活してきたのかも不明だし、引っ越し指揮していても賃金は貰ってないだろうし。
しかも、何故か突然に於蘭が歌いだすシーンもあるし。
終盤、感動系に話しを振ったけど時すでに遅しって感じ。
引っ越しは艱難辛苦!
Amazon Prime Videoで鑑賞(レンタル)。
原作(引っ越し大名三千里)は既読です。
国替えを命じられた姫路藩の引っ越し奉行に任じられた気弱な藩士・片桐春之介(星野源)が、仲間たちと共に奮闘する姿を描いた時代劇エンターテインメント。
参勤交代にしたって、赤穂浪士の討ち入りにしたって、先立つものは金、金、金。いつの世も銭がいるのです。藩が引っ越しするにも、もちろん金かかりまんねん!
幼馴染みの鷹村(高橋一生)の推挙によって半ば強引にお役目を任された春之介。国を丸ごとお引っ越し、しかも祿は半分以下に減らされる。いったいどうすりゃいいのか。徹夜で考えどもいい知恵はいっこうに浮かばず…
無策の春ノ介が頼ったのは前引っ越し奉行の娘・お蘭(高畑充希)でした。はじめは父親の手柄を上士に横取りされたことからけんもほろろな対応でしたが、春ノ介の真面目で正直な心根を知って、協力してくれることに!
仲間が集い、ついに始動した一大プロジェクト。しかし、一筋縄ではいかない。前引っ越し奉行が遺した指南書を元にギリギリまで経費を節減するため、藩士には家財道具の半分を処分するように言い渡すなど工夫を凝らす。
なれど反発は免れず。周りに示しをつけようと大切に管理して来た書物を選別し、殆どを火にくべて処分した春之介。私も本好き故、その断腸の想い、よぉく分かりますよ…
さらに、祿高が加増された暁には再び召し抱えると云う条件で殆どの藩士をリストラ。リストラされた藩士は各々の土地に留まり、百姓として生活していくことになりました。
多くの困難を乗り越え、己に自信を持てるほど強くなった春之介は固い決意と人々の想いを胸に任務をこなし、いざ引っ越し当日、意気揚々と進む行列に刺客たちが乱入して…
星野源はひ弱な役がよく似合う。しかも童貞臭が濃厚に漂う役が。でも、やるときはやる男な役でもあることが多い!
「地獄でなぜ悪い」然り「逃げるは恥だが役に立つ」然りで枚挙に暇無し。今後もドシドシ映画やドラマに出て欲しい。
剛の者の役に正反対なイメージの高橋一生をキャスティングしたのもニクい。めちゃくちゃ合っていました。声もちゃんと張れていたし、殺陣もキレ味抜群でした。
クライマックス、刺客の襲撃に対して、やっと俺の出番だ、待ってましたとばかりに大立ち回りを演じてくれました。
金は必要だけど、最後に物を言うのは人の想いだ。
[余談1]
西村まさ彦、こう云う時代劇に出過ぎな件…
[余談2]
タイトルは「引っ越し奉行!」の方が良かったかも?
[以降の鑑賞記録]
2023/06/18:痛快時代劇シネマ(テレビ大阪)
※修正(2023/06/18)
引っ越し:インポッシブル!?
土橋章宏脚本による時代劇はユニークな題材のものばかり。
参勤交代を面白可笑しく描いた『超高速!参勤交代』、凡作だったが日本初のマラソンを描いた『サムライマラソン』。
本作では、時代劇でお引っ越し!?
徳川の時代。要所要所の藩を守る為行われた大お引っ越し、“国替え”。
生涯に7度もの国替えを言い渡され、“引っ越し大名”と呼ばれた松平直矩。
これらはノンフィクションで実在の人物だが、本作はフィクションを交えモチーフに。
てっきりその直矩が指揮して大お引っ越しするのかと思ったら、別の総責任者が選ばれる。
その大任を託されたのが…
書庫番の片桐春之介。実在の人物ではなく、オリジナルのキャラ。
“書庫番”などと呼ばれているが、今で言うと引きこもりの漫画ヲタクと言った所。
蔵書にこもり、書物ばかり読み耽っている毎日。
人付き合いも苦手。他人とまともに喋れない。
付いたあだ名が、“かたつむり”。
そんな彼が大任に…いや、半ば押し付けられ、“引っ越し奉行”に。
大丈夫…?
大丈夫な訳無い!
姫路藩から豊後・日田(現在の大分県)へ。移動距離は600キロ!
藩士だけの単身赴任ではなく、家族含め総勢約1万人!
出来なければ、即切腹。
気弱なヲタクくんには卒倒しそう。さあ、どうする!?
無論、一人では出来ない。
まず、前任の引っ越し奉行に話を聞きに行くが、度重なる激務ですでに他界。娘の於蘭に最初は邪険にされるが、春之介の人柄に心を許し、父のノウハウで力を貸してくれる事に。
幼馴染みの武芸の達人、鷹村も協力。(イイ奴だけど、彼が断って無責任に適任者が居ると言ったからやるハメになったんだけどね…)
助けを借りて、いよいよ本格的に任に当たる。
自分も引っ越しした事あるので分かるが、とにかく大変!
全てを持って行く事は出来ない。お金もかかる。
それが藩もろともとなると、無理難題が山ほど。
一つ一つの難題を、知恵と工夫で策を練る。
運ぶものを減らす為、不要なものは捨てたり、お金に替えたり。
それは誰であろうと例外ナシ。
春之介も断腸の思いで蔵書の大半を火にくべる。
この時、嫌味な上役が高笑い。
…しかし、この上役に一休さんばりの方法でやり返す。痛快!
藩は国替え続きで困窮。
国替えには大金かかるが、とてもとてもそんなお金は無い。
勘定頭の助言で、足りない分は商家から借金。
勘定頭が協力してくれたのも、商家が費用を出してくれたのも、これまた春之介の人柄に惹かれて…。
今回の国替えは、石高が15万石から7万石に減封。
分かり易く言うと、大きな会社が小さな会社に。
つまり、全員を今まで通り雇ったままは無理。
この時代にもあったリストラ…。
独身者に対象を絞り、藩士から百姓へ、その非情な通達役も務める春之介。
激昂する者、悲観に暮れる者らが続出…。
心が痛い。が、春之介は約束する。
「元の15万石に加増が戻った時、必ずお迎えに上がり、再び召し抱えまする」
それは、いつの事になるのか…?
本当に叶うのか…?
しかし、春之介は決して…。
春之介という人物像に魅了される。
最初はダメ男くん。
悪戦苦闘しながらも、創意工夫。書物で得た知識で頭も良く、機転が利く。
内面も成長。
もう、かたつむりじゃない。
星野源が好演。
周りも個性的で、中でも、幼馴染みの鷹村役の高橋一生が豪腕な藩士役で新鮮だった。
時代劇は手掛けていたが、犬童一心監督にとっては初と言っていいくらいの本格コメディ。
そこに、ミュージカルやBL要素まで…!?
実は当初はさほど期待してもなく、序盤もイマイチであった。
無理難題の国替えの裏には陰険な上役の仕返しや定番の裏切り者、一応時代劇らしいチャンバラシーンもあるにはあるが、お供え程度。
策を凝らした国替え大作戦が始まってから面白くなってきた。それに加え、
国替えが成功しても、功績は残らない。手柄は悪い上役が横取り。
パワハラ、リストラ、断捨離…現代にも通じるテーマやヒント。
ヲタクくんがみるみる才を発揮して、女性とも出会って幸せを手に入れ、出世もして…と、ご都合主義ではあるが、それすら爽快。
ラストは念願叶う。
決して忘れなかった元藩士を迎えに行くが、戻る者も居れば、百姓として残る者も。その時の田の美しさ、空の青さ、彼らの笑顔が何と晴れ晴れ!
“全員”が集っての「お帰りさないませ」。
最後は意外や感動。
思ってた以上の良作好篇。
作品や春之介も含め、大義であった。
満足できる映画
とても感動した。
笑いもあり、最後はスッキリした気持ちになれる。
家臣達がお役御免を通告され、農民になる場面を見ると歴史は人のお陰で成り立っているものだと痛感させられた。星野源演じる片桐と周りの人たちの絆もとても見応えがあり、キャストも豪華で、素晴らしい映画だった。
かたつむりでございます星野源
かたつむりでございます星野源
ドタバタ喜劇時代劇
いきなりの衆道…もとい国替えの御触れで大混乱。
いつの時代も嫌な仕事は末端に押し付けられるものである。
大役に抜擢された星野殿、いや片桐殿。
もし何の官職もない穀潰しがいきなり奉行になったら、というドリフのコントのような無茶振り。
その突拍子も無いロケットスタートが時代劇とは思えないテンポ。
時代劇は往々として現代では馴染みのない文化を説明しないといけないのでどうしても退屈になりがちであるが、この作品が伝えたいものは現代との相違ではない。
風呂に入り酒を飲み腹が減ればまんじゅうを頬張る。そこにあるのはまさに現代の日本そのもの。
そして現代でもミニマリストだの断捨離だのが叫ばれる世の中、自分も引っ越しの時は頭を悩ませた経験がよぎる。
覚えていないのですから必要とは言えませんね、見切ります!
なんとも小気味の良いセリフ。
そして自ら断腸の思いで書物を焼く。
当時はブックオフなんてなかっただろうし売るのは難しそうだな。
そしてもう1つ大事なのが予算である。
借りて仕舞えばこちらのものじゃ!とお代官様。
よってどこの商家も首を縦に降らない。
こちらも無責任な現代の政治とよく似ている…
お金にだらしないのは世の常なのか。
結局片桐殿が土下座して情けを誘うのであった。
それでも足りない予算はお役目御免、リストラである。
帰農せざるを得ない武士は辛いもの。
まるでプロ野球の自由契約に通じるものがある。
まさにこの作品は時代を超えたドラマと言える。
そしていざ出発の日。
待ってましたとばかりに悪党出現。
お約束の展開に高鳴る期待。
家宝をここぞとばかりにふりかざし敵をバッタバッタと薙ぎ払う鷹村殿。
傷一つ付けてはいけないものを惜しみなく使えるのは何だか得した気分だなあ。
取っておいたお気に入りの高い酒を一気飲みするかのようだ。
それにしても美味しいところを全部持っていくのはズルい。
そして大団円。
星野さんは下手なタレントより演技が光りまさにハマり役だった。
全体的に無理な配役がなくまとまった作品でオススメ。
テンポが良くない
気楽に見れるコメディだが、正直あまり笑えず。
それぞれのキャラや演出はベタだけど、話の内容が結構暗いので上手くハマってない感じ。テンポが良くなかった印象。
高橋一生はこの役あってるのかな?と思って見てたが後半のアクションで説得力があった。
そんな高評価?
私が「のぼうの城」が好きで
歴史好きな旦那が同じ監督だから!!!と
猛プッシュするので見に行ったが
個人的にワーっと盛り上がることも無く
当たり障りなく2時間が終わった
前半が長い
もっとドタバタ劇で奇想天外なストーリーを
期待していたので残念
のぼうの城の時のような
そー来たか😵❤️
という意表を突くようなことも無く(笑)
引越しにはお金がかかる
城を引越しするのって段取り大変
お侍さんの友情?絆?は強い
この3つを伝える為の映画w
オールドスタイルリロケーションアクションコメディストーリー
カタカナで題名。笑笑
長い。
アクションシーンをもっと入れて。
迫力ある映像と音楽で。
このはじめて聞くとバカにしたい、ストーリーを盛り上げながら。
コメディ的に、笑わせて欲しい。
引越しアベンジャーズとか。
個人的には、あまり戦闘的でなく。
少しバカにされやすい任務の描きが、日本的で、良かったと感じてしまいました。
ハリウッドにも進出して、予算と人をかけまくって、作って欲しい。と思いました。
行列とか、三国志ばりに無駄に迫力を出してみたり。
変なことをして欲しいし、テンポをもっと上げて、サクサクしたのを見たい気がしなくもないのですが。
はやりこの辺りがベストなのではと。笑笑
まあ、今年のベストにはまちがいないのかもと感じてしまいました。
コメディストーリー時代劇アクション!!??
個人的には、久しぶりに。
良いと思えた映画です。
ストーリーも引越しとか、くだらないようでいて。
結構大切だけど、描くのが難しいテーマで。
ちょっとした組織の雰囲気を醸しながら。
そこそこのテンポで、現代の世相を少しばかり
表しながら描く。
自然とかの絵も綺麗だし。
俳優さんも堅すぎなくて、それでいて、柔らかすぎなくて。
能や歌舞伎や狂言のエッセンスを取り入れつつも。
そこまで、古臭くはなく。
個人的には、今年、最も、評価したい映画と思えてしまいました。笑笑
ストーリーだけに走ることなく、最後はきちんとタテ的なこともあり。
欲を言えばもっと笑わせて欲しかったけれど、まああんなものかと。笑笑
秀作
面白かった。
何やら実話らしいのだが、人物たちは創作なのかなぁとそんな感じ。
主人公の成長譚も絡めてあって、とても見やすい。引っ込み思案の主人公が親友に引っ張りだされ、助け合いながら、自分の才というか知識を見いだしていく。
そんな中で、夫婦になりと…苦あれば楽ありという昔ながらの標語が頭を過る。
何事も立ち向かった先がどうなるかは、立ち向かった後にしか分からない。そんな事を観賞後に考えた。
春之介の武に関してのダメっぷりが秀でていて星野氏のハマりっぷりが楽しい。反面、高橋氏の肉体派って違和感は払拭しきれず…ご本人は大健闘だったのも残念だった。
高畑さんの役はハマりどころで、頼りない春之介の足りない部分を全て補完するかのような説得力が素晴らしい。
加えて、周りの曲者ぶりもなかなかのもの。
全体的にはエンタメ色が強くて、グッと締まりきらない感じが残念だった。
襲撃されたとことかライトなノリの部分だけじゃなく、危機感とか欲しかった。侍の本分というか…刀が存在ごと軽い。
帰農してる間に亡くなった家臣や、そのまま帰農した家臣たちの刀を前に「おかえりなさいませ」という所はもっとグッときても良かったとは思うのだが…あと一山超え切れなかった感じがした。
ピエール瀧さんはいい表情すんなと、そのバイプレヤーぶりを改めて思った。
頭っからケツまで殿の芝居には首を傾げまくりだった。
必ず迎えに来ます。
はじめ、
タイトルとあらすじをみたとき
スルーしようかなと思ってました。
泰平の世を続けるための
幕府の政策として、
藩に戦準備をさせない妙策。
ドタバタ劇なんだろうな
くらいに思ってました。
だけど
知り合いにいいよと
教えてくれた人がいたのと、
本レビューをみて劇場へ。
人嫌いの春之助が
仲間に助けらて
難局を乗り越えていく様が
面白い。
何かやろうとしたときは、
人、ノウハウ、金が
いるけど
春之助には、彼の人柄に惚れ
いつも隣にいる
鷹村や於蘭、中西を始めとした
味方がそれらを解決していく糸口を
作っていく。
その絆が面白いです。
わたしがこころに残った場面は
三つあります。
一つ目は、於蘭とのからみです。
協力してもらうまでは、
三国志での諸葛亮への
三顧の礼のような誠実な態度や
婚礼に至る場面では
どさくさに伝えるプロポーズが
微笑ましいです。
二つ目は、最後の殿様の言葉です。
石碑を前にして
帰還した部下達をねぎらう
姿が、前半のギャップもあって
藩における国替の
苦難を感じさせました。
三つ目は、リストラと再雇用です。
想像したらわかるはずなのに、
こんな場面が作中であるとは
夢にも思わなかったのです。
今は藩をやめてもらうのだが、
いずれ石高が復活する際には、
必ず迎えに行くと誓い、多くの志士に
開墾の指示をして
置いていく。
そして、本当に約束をはたし、
再雇用を実現させたときに
再び訪れた故郷の開墾された
棚田の美しいこと。
引っ越しだけと思って
劇場にきましたが、
そのプロセスと春之助の熱い思いで
素直に感動しました。
おすすめ。
時代劇って何なんだろう。。。
評判が良かったので公開されてすぐ見に行きました。 期待が大きかったのでその分ちょっと期待はずれ? 主人公のあまりにも武士らしからぬ振る舞いとBL(お国替えのきっかけ)で笑いをとろうとしているのですが、(じっさい楽しそうに笑っている方たくさんおられました)、 もう一つ乗り切れず。 ただ後半、 主人公が引っ越しの諸問題にしっかり取り組み始めると、 だんだん面白くなり、 松林の立ち回りは楽しかったし(高橋一生さんかっこいい)、 棚田には感動しました。 時代劇というと、 「たそがれ清兵衛」的シリアスな時代劇を思い浮かべてしまいますが、 昔の娯楽時代劇ってこんな感じだったのでしょうか。
心が温かくなる映画です!
ひきこもり侍である春之助が、
引っ越し奉行に任命されることにより、外の世界に触れ、
人として成長していく姿に勇気をもらった。
また、春之助を助けてくれる周りの人の温かさが心地よかった。
星野源さんが春之助の人柄にぴったりで、演技も素晴らしかった!
高橋一生さん、高畑充希さん、濱田岳さんの演技も素敵で、
特に、高橋一生さんの殺陣のシーンは圧巻でした!!
勝ち戦を眼下に眺める男達。
15年の時を掛けて開墾した、棚田の風景にグッと来て。刀と人と墓碑で全員集合した2156人にほろりとし。「引っ越しは我らの戦にござる」。いやいや、土を耕し田を守るのだって戦。土下座で借金するのも戦なら、公儀隠密と斬り合うのも戦。人の人生そのものが戦でござるよ、なんて言う話。なんか良かった。中盤以降、ぐいぐい話に引き込まれてしまって、最後はホロホロ程度には泣ける映画だった!
チェリーボーイが相手と来りゃ、女性リードだよね。にしても充希ちゃんの逆プロポーズ、早。と言うか手際、良い。いや、時代物のカツラを被った瞬間に「君、誰?」になってしまう女優さんも多い中、充希ちゃんはいけてたと思う。彼女の顔は時代物向きなんですね。
メインキャスト三人はミスキャストちゃう?と感じた最初の10分。徐々にハマり役に見えて来るのは「役者さんの力」だよなぁ、って思う。高橋一生に、こんな役出来るんだと感心しました。伊万里焼のフリスビー・アタック。中島誠之助氏の顔がムンクの叫びになりそうだけど、下手すりゃ刺さるよ、それ、頭蓋骨に。いずれにしても「いい仕事」だったw
初めての引越しの成長物語は、コメディで幕開け。「義無き江戸時代」、幕閣に翻弄される武士の物語を経由し、15年の人間ドラマに帰結。現代社会の政治やら、宮仕えの悲哀やらへの批判や皮肉が込められてる、って言う風に見えない事も無いけれど。そんな事ないと思う。日本の支配構造が、400年変わっていないだけ。いや、アメリカだって本質的には200年変わってない所があるしね。
ただただ、その時に置かれた立場と役割の中で、「己の戦」を全うした人たちの物語。徳川幕府の圧倒的な支配力の前に、存在価値を失った「武力装置としての侍たち」の、笑いと涙と汗と恋の物語。定期的に登場する「エンタメ時代劇」の中では傑出した出来だと思います。俺はこれ相当好き!
楽しかった。すっごく!
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