「引っ越しは艱難辛苦!」引っ越し大名! しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
引っ越しは艱難辛苦!
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原作(引っ越し大名三千里)は既読です。
国替えを命じられた姫路藩の引っ越し奉行に任じられた気弱な藩士・片桐春之介(星野源)が、仲間たちと共に奮闘する姿を描いた時代劇エンターテインメント。
参勤交代にしたって、赤穂浪士の討ち入りにしたって、先立つものは金、金、金。いつの世も銭がいるのです。藩が引っ越しするにも、もちろん金かかりまんねん!
幼馴染みの鷹村(高橋一生)の推挙によって半ば強引にお役目を任された春之介。国を丸ごとお引っ越し、しかも祿は半分以下に減らされる。いったいどうすりゃいいのか。徹夜で考えどもいい知恵はいっこうに浮かばず…
無策の春ノ介が頼ったのは前引っ越し奉行の娘・お蘭(高畑充希)でした。はじめは父親の手柄を上士に横取りされたことからけんもほろろな対応でしたが、春ノ介の真面目で正直な心根を知って、協力してくれることに!
仲間が集い、ついに始動した一大プロジェクト。しかし、一筋縄ではいかない。前引っ越し奉行が遺した指南書を元にギリギリまで経費を節減するため、藩士には家財道具の半分を処分するように言い渡すなど工夫を凝らす。
なれど反発は免れず。周りに示しをつけようと大切に管理して来た書物を選別し、殆どを火にくべて処分した春之介。私も本好き故、その断腸の想い、よぉく分かりますよ…
さらに、祿高が加増された暁には再び召し抱えると云う条件で殆どの藩士をリストラ。リストラされた藩士は各々の土地に留まり、百姓として生活していくことになりました。
多くの困難を乗り越え、己に自信を持てるほど強くなった春之介は固い決意と人々の想いを胸に任務をこなし、いざ引っ越し当日、意気揚々と進む行列に刺客たちが乱入して…
星野源はひ弱な役がよく似合う。しかも童貞臭が濃厚に漂う役が。でも、やるときはやる男な役でもあることが多い!
「地獄でなぜ悪い」然り「逃げるは恥だが役に立つ」然りで枚挙に暇無し。今後もドシドシ映画やドラマに出て欲しい。
剛の者の役に正反対なイメージの高橋一生をキャスティングしたのもニクい。めちゃくちゃ合っていました。声もちゃんと張れていたし、殺陣もキレ味抜群でした。
クライマックス、刺客の襲撃に対して、やっと俺の出番だ、待ってましたとばかりに大立ち回りを演じてくれました。
金は必要だけど、最後に物を言うのは人の想いだ。
[余談1]
西村まさ彦、こう云う時代劇に出過ぎな件…
[余談2]
タイトルは「引っ越し奉行!」の方が良かったかも?
[以降の鑑賞記録]
2023/06/18:痛快時代劇シネマ(テレビ大阪)
※修正(2023/06/18)