「音楽をモロに当ててくるタイプのムーラボ作品」書くが、まま たいよーさん。さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽をモロに当ててくるタイプのムーラボ作品
ポスタービジュアルが良かったし上村奈帆監督の作品が好きなので、満を持して鑑賞。ちょっと自我が強く、作品としてのまとまりはないけど、それも許したくなる。
内包する感情の拠り所を探す話だけでなく、その半径で描いてくるのはちょっと惜しかった。尺の都合で群像劇にしてるんだろうけど、その分有り余っている感じもする。また、いじめによってこもってしまう部分、もっと繊細に描くべきだったと思う。
ただ、その分の連帯を感じさせるカット割りは上手い。しっかりと地続きに描く上村奈帆監督の手腕はあるし、ストレートながら届かせたいメッセージは投げている。ただ、音楽とのコラボにしては直球すぎていただけない。突飛な感覚もあり、全体的にネガティブな部分を占める形となった。
主演は中村守里さん。まだあどけなさも残る雰囲気と確かな眼差し、言葉少なに届けていく姿が印象的。強さを持ち始める所も魅力的に感じた。
ムーラボ作品は当たり外れが大きいが、意欲的なテーマで作ってくるので面白い。ちなみに使われてたバンド、本当に岩手のバンドらしい。なら尚更、千葉の中学生じゃなくても良かった気もする。
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