「超能力が目覚めただけなのに・・・」サイコキネシス 念力 ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
超能力が目覚めただけなのに・・・
コメディかと思ったんですが、なかなかどうして・・・冒頭から、ハードな内容でした。大勢の暴漢に娘が襲われ、助けに入った母親が殺されてしまいます。
ここで場面が変わって、さえないオヤジが登場。朝の散歩中に、飲んだ湧き水が変な味だった。ボソボソと警備員をしていたが、急激な体調不良の後で、超能力が使えるようになる。
そこに、母親を亡くした娘から連絡が入る。
オヤジ一人の時はお笑い場面も多く、コメディの要素を賑わせるが、メインは地上げで追い出されようとする人々の抵抗かな。
再開発予定地で唐揚げ店を営んでいた娘が巻き込まれていた。
面倒なことは避けて別の土地で暮らそうと持ちかける親父だったが、娘は住民仲間とともに断固闘うことを宣言する。
【ネタバレ】
ここから、超能力を駆使した抵抗へと繋がっていくんだけど、とにかく地上げ屋?の連中にイライラが止まらない。何でこんなに小憎たらしい敵役を、いつも韓国映画は見せてくれるんだろう。ボスキャラの女性もホンっと苛つかせてくれる。ただの暴力だけじゃない、金と悪意を駆使した究極の嫌がらせの数々。
苦境のどん底に叩き落されてからの親父の反撃が凄かった。サイコキネシスを駆使して闘う親父は、空も飛べるまさにスーパーマン!何で身体まで強靭になっちゃうの!なんて、疑問点はさておいて、この反撃は爽快感極まりない。
バッタバッタと敵をなぎ倒し、住民たちを助けるさまはヒーローそのもの。ボスのクルマをグチャグチャにし、地上げ屋をぶっ飛ばしたときには、ホンっとスッキリでした。
でも、どうなんだろう?
結局、最後は親父が警察に出頭して、闘争が終了する。地上げ屋の勝利ということだけど、出所後闘争の舞台となった再開発予定地は空き地のままだった。
新たな地で唐揚げ屋を立ち上げた娘との再会で、ニコヤカに終わるんだけど、なんか笑えなかった。
最期がモヤッとした気分なんだけど、クライマックスの闘争場面は、ホンっとド迫力で楽しめた一本でした。