ジュリアンのレビュー・感想・評価
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扉の開け閉め
扉が開くと事態は動くという感じ?
家、車、エレベーター、最後は隣人の扉。
扉が開くたび少しずつ下降する幸福。
初めから低い位置スタートの幸福は
地を掘ってさらに下へ進んで行く。
ただただジュリアン君の幸福を祈る。
あと、シートベルトをこんなにも豊かに描いた
映画は他にない気もする。
素晴らしいギミックだった。
欲を言えば、姉パートは特に解決もなく
物語に膨らみをもたらすだけの
無意味な有意味扱い、ならばもっと面白く
ウィットで笑わせて欲しかった。
ブ男彼氏の発言や行動で笑いをとることは
できたはず。
この手の恐怖映画は、コメディ要素があったほうが
心に残るものだと思った。
DVは病気だから治りません。
冒頭から両親の意見が真っ向から割れている。
息子との面会は勝ち取った父親が迎えにくると早くも暗雲立ち込め、陳述されたDVについての事実が観るがわに伝わり始める。
迎えに来た夫の行動やタレ目の無表情な顔を見た瞬間、父親が凄まじい異常さを醸し出しており、うすら寒くなる。
これは患者の顔だ!と思うほどに。
物語を追うと夫のDVを考えながら観るのだが、夫自身の弱さ故にDVに至った雰囲気は解る。
ただ、妻の前で感情失禁、妻に抱きついて泣く等は、妻を取り戻したいだけのワガママで別段今まであったDVを反省している訳ではない。
DVで妻や子どもを支配しないと安心出来ないから、それに逃げられてしまった事が悲しいのだとわかる。
息子を脅し妻の居所を突き止めるなど、違法行為のオンパレード。
ジュリアンの姉の妊娠みたいなフリも回収しないまま。いちゃつきが過ぎるあのカップルは逮捕前に親父にシバ かれてた方が良かったと思う(笑)
ただ、この作品はジュリアンの表情に尽きる。
あの親父と車に同乗して母親の代わりに圧力を受け続けた勇気は凄い。
ラストは呆気ないとも言えるが、昨今ニュースで連日報道される話を聞く度に「何とかならないのか?」と悲しい気分になる。
意外とストレートな映画❗
星🌟🌟🌟🌟 予告編が意味深だったので観たのですが…どんでん返しのような内容ではなくいたってシンプルでストレートな内容でした❗全編に於いて胸を締めつけるような圧迫感がありラストでシャイニングのような展開になりどちらかと言えばスリラーぼい作品だと思います❗車の助手席のジュリアンの恐怖に歪んだ顔が頭からこびりついて離れません❗最後ハッピーエンドで終わって良かったです❗
離婚した夫婦とその子供達の関係を描いた話。
冒頭の離婚調停のシーンでは淡々と語られた夫であるアントワーヌの家庭内暴力が、チャプターを重ねるごとにジュリアンへのDV描写がリアルになっていく。最後のアントワーヌが妻子を襲いに来て逮捕されるシーンになると、弱者である妻子たちが体格が大きく武器を持つアントワーヌに襲われる恐怖が最高潮に達し、ただただ恐怖しか感じられなかった。
射殺しちゃって下さい
いやー、不謹慎だな俺。でも、この男、治らないでしょ。ヤレ、ヤッテくれ、遺恨が残れば却って危険なんだよ、の願い虚しく。パン!と行って欲しかったです。
DV親父と一緒にいる子供目線は初体験のシチュエーション。先読み出来ない緊張感は良かったけれど、期待値が高かったので、最後はもう一押し欲しかったです。
そっとドアを閉める隣人。世間の無関心や冷たさの象徴、的なエンディングに文句を言ってる訳では無いけれど。
DVストーカーの恐怖
DVストーカーの恐怖に怯え続ける妻子の苦悩や心理を見事に描いている。身近にも起こり得る重大な問題であり心が痛い。DVを食い止めることが出来ない司法と行政に対する監督の強い思いを感じた。
2019-76
体感型離婚後面会権
終盤の流れは恐ろしいほど迫力があったのですが、家裁での調停を見る限りでは夫アントワーヌの暴力が表立っていないのでモヤモヤしてしまった。長女に対する傷にしても3年後に診断書を提出だとか言ってたし、もしかしたら妻の被害妄想的なものもあるんじゃないかと感じてしまうのです。しかも妻ミリアムに連絡を取ろうとしても、番号がわからないし、ジュリアンは頑なに「持ってない」と言い張るし、ようやく見つけた電話番号で話をするも直後にはミリアムは電話番号を変えてしまうという早わざを使う。どっちが病気なんだろうか・・・と。
ジュリアンのカバンを放りつけた瞬間、やっぱりDV男なんだろうな~と感じるし、いつも怒ってる男だということは理解しやすい。ただ、やはり“痛み”というのが伝わらなかったのが残念でしょうがない。直接的な暴力シーンも挿入するなり、何らかの形で描いてほしかった。
親にも家を追い出され、狂気に走った男アントワーヌ。ちゃんと医療関係の職に就いているにも拘わらず、荒れ気味の男。常に怯えた様子で、困った顔をしているジュリアンくんの顔の演技が印象的だった。
スリラーとしても、家族の物語としても中途半端
夫婦の離婚調停のシーンから本作は始まる。
既に夫婦関係は破綻し、妻は子供と実家に帰っている。
調停の結果、夫には11歳の息子ジュリアンとの面会権が与えられた。
ジュリアンには姉がいて彼女は18歳。
ということは、この夫婦は20年近い付き合いのはずなのだが、どうして、こうなったのかの説明はない。
夫は短気で粗暴。実の父にもそう言われているのだから、ずっとこうなんだろう。概ね夫のほうに原因があることは分かる。
だが、実の子から避けられ、自分の実家からも締め出される。仕事も辞めたらしく、彼の疎外感、孤独感はかなりのものだろう。
このような、夫の背景や心情を描くことも出来たはずなのだが、本作ではほとんど説明はない。
彼の内心は語られず、ただ、その行動から読み取るのみである。
だが、これだけでは、あのラストの行動に至った理由があまりにも分からない。
いや、そうではなく、夫をもはや理解不能のモンスターとして描くやり方もあるだろう。
DVという日常生活に潜む恐怖を主題に据えたスリラーとして描く、という方法だ。
この場合は、被害者を描いてほしい。
妻や子供たちが、どれだけ夫を恐れているか、これまで、どんな恐ろしい目に遭ったのか、など。
それがあって、観る側の恐怖はさらに増幅される。
もちろん、ラストの行動を見れば、彼は充分に怖い存在ではあるのだが、あまりに経緯が分からない。
つまり。
どうも、家族の物語としても、スリラーとしても、いずれにしろ中途半端に思えてならない。
いや、現実のDVとは、こうなのかも知れない。
20年の家族としての年月も、そこにあった葛藤も、短時間の調停で判断され、ある日突然、決定的なことが起こる。そういうものだとしても、映画としてどうなのか?
パーティのシーン。音楽がうるさくてセリフが聴こえない。携帯を見る。誰かが誰かに耳打ちする。人が動く。こうした情景描写だけで不安を煽り、何かが起きていると思わせる演出は秀逸。
惜しい。
現状
ジュリアンが必死にお母さんを守ろうとしている姿に胸が苦しくなりました。
助けを求めても証拠がなければ動いてくれない。
これが今の現状なんだと思います。
ラスト数分は凄い緊迫感でいつの間にか作品に入り込んで涙が出ていました。
ハッピーエンドで良かったと思いましたが、アントワーヌが出所した後もこの家族は恐怖から逃げられないのだと思うとつらいですね。
精神をガリガリと削ってくる作品
観なくてはならない作品なのかもしれない。思い出すだけで怖くて悲しくて心臓痛くなるけど…
他人事で済ましてはいけない。
ジュリアンは終始誰にも助けを求めていない事に心が引き裂かれそうになる。
自分が我慢し頑張らなきゃ…とずっと堪えているあの姿、私達大人が周囲が気づかなければいけない。
そんな事を深く考えてしまう作品であり、精神を削られたような感覚に落ちる作品。
孤独
最近ニュースになった千葉の女の子の話しなど、虐待は昔からある。ほぼ弱い者が犠牲に。
ストーリーの中でもあったけど、DVする人は精神的な「病気」
過去や現在の自分の取り巻き全てに不満や不安を抱えてて、その反動で家庭では支配したがる。行き場の無いイライラ感を人にぶつけて…
アントワーヌの父親が「ここは俺の家だ!」の追い出すシーン。
母親は「勝手にしなさい」
この両親からも見放された途端、アントワーヌは狂ったのだ。
孤独
人は孤独じゃダメだと思う
孤独が人を蝕み、狂気を起こさせる
2019年ベストムービー!
この映画の予告編を観た時、どうせ何か"裏"があるんだろう…と思ってましたが、そのまんまのストーリーでした(笑)
最初の20〜30分は勘繰りながら観てましたが、何も起こりそうも無いし、"家族たち"が普通に怯えているし…(笑)
"ホラーよりもホラー"なんですが、主演の男の子1人が、映画の全てを持って行きました…というぐらいの名演です(笑)何と言っても、表情がいい!(笑)
風呂場のシーンは、なかなかの名場面となりました!
両親の板挟みになって苦しむジュリアン君
巨体で迫り来る父ちゃんの前で、必死ですぐバレそうな嘘をつかなくてはいけないのが、可哀想すぎる。母親も含めもうちょっと上手く立ち回れなかったか…。
明確に説明されていないところもあるが(特に姉関係)、別に気にならない。
エンドクレジット中は無音ではなく、ずっと音がしていると思ったが…?
現代社会
フランス映画なので会話が常にアップテンポ。でもすぐ馴染みます。終始緊張してとにかく集中した。暴言暴力は恐ろしいと思った。ジュリアンが父親に恐怖を抱いて生活する様子を見ているだけで胸が苦しくなったしDVについてより色んな視点で考えられた。
パーティのシーン以外一切音楽が流れないんですよ。より父親とのやりとりでジュリアンの緊張感がこっちまで伝わってくるんです。逆にパーティでは字幕がほぼ無いです。でも今どんな状態で何が起きてどう思ったのかが目に見えるんですよ。あ〜演劇的だ!ってなりました。もっと色んな作品に触れたい。
変わった感じの無音映画!!
こんな映画を映画館で観たのはほぼ初めてです。ストーリーはよかったです。冒頭シーンのセリフばっかりのシーンで、これ途中で見飽きてしまうかもと思っていましたが、見飽きる事なく最後まで観ることが出来ました。面白かったので、パンフレットも買いました。最初はお父さん少し暴力的な感じがして、ストーリーの真ん中ぐらいになって、お父さんが少し落ち着いた感じがしましたが、後半のクライマックスで怒りに耐え切れなくなったお父さんが変貌し、ジュリアンと元妻の家に侵入し、猟銃を持ってドアに一発、二発ドン、ドンと撃つシーンは鳥肌が立ちました。クライマックスはよかったです。やっぱりDVは怖いなーと思いました。まあまあ良かったので評価3.5。以上。
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