「【”ママを殴らないで・・”アンガーコントロールが出来ない男を父に持った少年の苦悩。ラスト10分は最早、ホラー映画です・・。妻や子供に手を上げる男は、家庭を持つ資格はない!と改めて思った作品でもある。】」ジュリアン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ママを殴らないで・・”アンガーコントロールが出来ない男を父に持った少年の苦悩。ラスト10分は最早、ホラー映画です・・。妻や子供に手を上げる男は、家庭を持つ資格はない!と改めて思った作品でもある。】
ー アントワーヌ(ドゥニ・メノーシュ)と妻ミリアムの離婚調停の場で読み上げられる、息子ジュリアンと娘ジョゼフィーヌの証言。ジュリアンの共同親権を求めて、言葉少なに父親の存在の必要性を求めるアントワーヌ。
今作で、恐ろしき父を演じるドゥニ・メノーシュの顔と体格が怖い。
(今作の恐ろしさは、ドゥニ・メノーシュの一切笑わない演技が齎していると言っても過言ではないであろう。とにかく顔が怖い。「イングロリアス・バスターズ」の冒頭、ナチスのクリストフ・ヴァルツにユダヤ人を匿っていないか、ネチネチと問い詰められるお父さんの姿の欠片もありません・・。)
ついでに言えば、この離婚調停での遣り取りも、相当に雑である。キチンと、子供達の証言に一歩立ち入って調べるべきアントワーヌの嘘を、見抜けない裁判官。
あれだけ、状況証拠があれば、アントワーヌに接近禁止令を出してもおかしくはないのに・・。ー
◆感想
・子供と妻に、自分の思うように会えない苛立ちを募らせていく、アントワーヌが怖すぎる。そして、描かれないが、離婚の前に彼が妻や娘に行っていた暴力行為も容易に想像ができる。
でなければ、ジュリアンが自分の父を”あの男”とは、呼ばないだろう。
・直ぐに激高するアントワーヌの態度に立腹し、家から追い出す実の両親。
私は、そんな男に育てた両親の罪は大きいと思う。小さい頃から、父の趣味の猟銃撃ちに同行させたりして、甘やかして育てて来たのではないか。
・ジュリアンが、母と姉を守るために、アントワーヌから離れ、隠れ住んでいる家を見つけられないようにする健気な姿が何とも悲しい。
<ラスト、10分のアントワーヌがジュリアンと母ミリアムの家を突き止め、執拗に玄関のベルを狂的に鳴らし、最後はライフルをドアに打ち込んで入り込んで来るシーンは、最早ホラーである。
隣人のおばさんが、警察に連絡し(そりゃ、そうだろう・・。ライフルをガンガン撃っているのだから・・。)何とか、難を逃れた時には、どっと力が抜ける・・。
ジュリアンが、相当なトラウマを跳ね除け、女性や子供に暴力を振るわないキチンとした男に育ってくれよ・・、と願ってしまった作品である。>
■自らの幼き子供を躾と称して殺害した男と、なすすべもなく従った女が、近年逮捕された事は記憶に新しい。
日本の刑法としては、相当に重い量刑が男には課されたが、私は極刑にすべきであったと思う。 親殺しの罪が重く、実の子を殺しても量刑が軽い日本の法制度が、古いのである。
司法は、現状の社会情勢にあった法制度に徐々に移行して行って欲しいものである。
NOBUさん、(いまさら)発見!
怖いお父さん役のドゥニ・メノーシェは「イングロリアス・バスターズ」冒頭のフランスの酪農家のお父さんなんですね!とっても優しい人でした🥲 そして今度「悪なき殺人」で主役のミシェルやるんですね!楽しみです☺️
NOBUさん、ごめんなさい。ご質問にきちんと答えないままダラダラと書いていました。公開前にアップされていた動画でインタビューされていたのはお父さんではなくて、ジュリアン役のトーマス・ジオリアです。だから成長とか大人っぽいなど書きました。大変、失礼いたしました。
本当にそうです、
「親殺しと子殺しの量刑の差」。
子供は親の“所有物”であると見なした旧憲法の、改正から取り残され忘れ去られてしまっていた悪しき残渣。
小さい者をこそ、特別に手厚く守らなければならないのに。