「割とたのC 越して たのDやんけ!」ニセコイ KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
割とたのC 越して たのDやんけ!
弾ける強烈なコスプレ感とコント感。
そのチープさに幸先不安な気持ちにはなるけれど、「そういうもの」と割り切って観ていくうちにだんだん慣れてくる。
演者も演出もおバカでハチャメチャな方向に振り切っているのが伝わってきて好感が持てた。
ハーレム状態に気付かず甘んじて鈍すぎる楽。
周りから浮いて辛い思いをした過去から平凡であることにこだわり、他人を尊重して偏見に惑わされないその純粋さに人は惹かれるんだと思う。イケメンだし。
ラッパーカミナリの絡みや友達ノートをめぐる千棘への態度はなかなかキュンと来た。
ただ彼の心変わりはあまりにも急すぎるし、気持ちを寄せる女の子に対しての仕打ちがわりとひどE越えてひどFやんけ。自覚ナシなのが罪。
千棘と楽のニセイチャイチャ模様が面白い。中島健人と中条あやみの変顔合戦はずっと見ていられる。
クロードと誠士郎による異常なまでの監視方法も、集英組とビーハイブの衆たちの頭の弱さも一々ギャグ的で笑えた。
「二人を見守る、集英組がお送りしました」のシーンがとても好き。
しかし、楽に対して白くて細いモヤシと評する千棘の方が数倍白くて細いのはこれいかに。
楽、千棘、小咲の想いと重なる文化祭の劇、アドリブの連鎖とその結末は色々と示唆的でじんわり来る。
ベタベタな少女漫画展開には辟易としつつ、敵対する者同士の偽りの恋から始まる物語として良い終わり方だったと思う。
しかしもう少し人間関係を掘り下げて欲しかった。
原作未読でアニメ未視聴のため、それぞれの心境や人物像が掴みきれない所も多々あり。仕方ないけど。
万里花に関しては謎すぎた。後で調べたら原作では楽の婚約者設定だったのか…。しかし島崎遥香の演技含めてあのキャラ好きだな。
唐突な展開もギャグ演出も冷静になると相当空回りしてると思うだろうけど、それを越えて楽しく観られた。
テンションの高い作品はテンション高く観たもん勝ちだと思う。
原作ファンの方にはどう思われるのか。あらかた予想はつくけど大目に見て欲しいところである。