こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のレビュー・感想・評価
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北海道の雄大な景観が気分を軽く、おおらかにしてくれる
まずタイトルがいい。主人公は筋ジストロフィー患者の鹿野さんだが、振り回されるボランティアの視点で語られることが端的に示される。原作の著者、渡辺一史の功績だ。
大泉洋主演なので単純なお涙頂戴の難病ものでないことは想像がつくが、予想を上回る鹿野さんの強烈な個性、自由すぎるキャラを、顔と手以外動かせないという演技上の制約の多い中よくぞ体現したものだ。大泉のとぼけた味わいがはまっている。邦画が避けがちな排泄や性欲にからむ問題も、うまく笑いに転化して描写していた。
高畑充希は割とイメージ通りの役。愚痴をこぼしたり怒ったりもするけど、基本は優しくて頑張り屋。カラオケに行くかもという展開で、朝ドラで披露した美声を聴かせてくれるかと思ったが、なくて残念。三浦春馬の役は意外に複雑なキャラ。たいてい素直で明るい青年のキャスティングだが、この役は一見好青年のようで実は…というのが面白い。
鹿野はいつも王様のようなワガママぶりで周囲を振り回していた。 映画の冒頭から数十分はその様子が描かれる。 イヤな奴だなあ。 不快な映画だなというのがだいたいの感想だと思う。
動画配信で映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」を見た。
2018年製作/120分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2018年12月28日
大泉洋
高畑充希
三浦春馬
萩原聖人
渡辺真起子
宇野祥平
韓英恵
竜雷太
綾戸智恵
佐藤浩市
原田美枝子
古川琴音
筋肉が徐々に衰える難病・筋ジストロフィーを
12歳の時に発症した鹿野(大泉洋)の実話。
ボランティアは多いときは10人以上が彼に付きっ切りである。
人工呼吸器を使うようになってからは
24時間誰かが近くにいなければならない。
その中にボランティアの美咲(高畑充希)と
医学生・田中(三浦春馬)もいた。
鹿野はいつも王様のようなワガママぶりで周囲を振り回していた。
映画の冒頭から数十分はその様子が描かれる。
イヤな奴だなあ。
不快な映画だなというのがだいたいの感想だと思う。
脚本の力でそのイヤな奴もだんだんいい人として描かれていく。
その試みはけっこう成功していて、
映画が終わるころには不快な思いもどこかに消えてしまう。
高畑充希の演技、
とくに終盤のプロポーズのシーンはとても良かった。
原田美枝子はこの映画でも美しかった。
端役で出演している中田クルミは
浅野忠信の妻(2022年から)らしい。
三浦春馬(~2020年)という役者は
個人的には「真夜中の五分前」(2014年)が印象深いが、
いい役者だったと思う。
世話をすること
は、同時に自分の心もケアして貰っている、
と思えるかこき使われているととるか。ただ、する方もされる方も大変。
自宅介護を家族だけでは到底無理の現実。
鹿野さんの人間性がやはり凄いとなるのかな。
三浦春馬さん、さすがにオーラを取り去り、フツーの医大生になっていた。ウジウジするのも
情けなくて良かった。
本音全開で生きる鹿野さん‼️・・大泉洋だから、愛すべき人に見えたのかな?
鹿野もボランティアたちも、一様に幸せに思える。
鹿野さんが生活を楽しみ人生を謳歌した人に見えるのは
錯覚なのだろうか?
鹿野さんは首と手しか動かせない。
水分を取るのさえヘルパーをする人が口元へ
ストロー付きの容器を差し出すのだ。
クチは達者でボランティアの学生を好き勝手に動かして、
ある意味でハーレムのキングだ!!
夜中にバナナ食いたい‼️
と言い出したのがタイトルの「こんな夜更けにバナナかかよ」
映画だから?
原作を書いたのはノンフィクション・ライターの渡辺一史さんで、
この言葉を本人が実際に言ったのだ。
なんというワガママ!!
でも鹿野さんならみんな許してやろう、
望みを叶えてやろうと思うのだ。
鹿野さんは、
残された体の機能を活かして、生き切ったように見える。
《鹿野さんはカリスマ性のあるで、人を楽しませる名人だった?》
答え・・・YES(多分、確率80%)
何故なら楽しくない空間に人は集まらない。
そこに行けば、人(シカノ)のためになり、若者がワイワイ喋くり、
孤独を癒やされ
(渡辺真紀子?、宇野翔平、萩原聖人)のプロの介護人がテキパキと
対処している。
多くの学生ボランティアは、きっとシカノから多くを学んだ。
この映画で一番感動したのは、
美咲ちゃん(高畑充希)が、鹿野さんのプロポーズを断るシーン。
同情か愛か?分からない結婚を高畑充希が自分の心と
キチンと向き合い断るシーンは素晴らしいと思う。
あのシーン、
シカノの退院祝いのパーティー会場だ。
パーティーは盛り上がっている。
「おめでとう!!鹿野さん」
呼吸器を使うともう話せない・・・という常識を覆して、
また話せるシカノの毒舌復活のおめでたい席だった。
呼吸器を付けても話せる人がいる・・・
その情報を医療関係者と合コンしまくって、
取ってきたのも美咲ちゃんだ。
シカノもズルい。
ドサクサに紛れて成り行きでOKしそうではないか?
盛り上がってて情に流されそうな雰囲気だ!!
しかし美咲ちゃんは自分を失わなかった。
美咲ちゃん、偉いぞ‼️
この映画はバランス感覚が抜群だ。
シカノが同情すべき弱者に見えない。
お涙頂戴ではない。
☆☆☆
余談ですが、今期の芥川賞受賞作「ハンチバック」を
読みました。
作者の市川沙央さんも重度の障害のある方で、
頭のトビキリ言い方です。
比較するつもりはないのですが、
有り余るお金持ちの市川さんより、
人(ヒト)が集う(つどう)鹿野さんがより幸せに見える。
市川さんは露悪的に心情を吐露しても、
まだ心を何重にも武装して見える。
真に解放はしていない。
心を開放するのはとても難しくて私にはとても真似出来ないけれど、
プライドと見栄を捨てて心をOPENにすれば、
もっと楽(ラク)に生きられる。
そんな気がする・・・
それが鹿野さんの教えてくれたこと‼️
素敵な雰囲気
ずっと友達からゲームを借りて返さないような奔放さ。ボラからの貸しに一見そっぽを向けているような鹿野。介助とはニュアンスの違った何か。それに=で結ばれない彼なりの恩返し。目には見えない微笑ましさ、絆があって。三浦春馬さんの自然体なボラの姿にも感じるものが。
なぜか憎めない鹿野さん
難病患者を扱っているが、悲しく、苦しくならないヒューマンコメディだった。実話を元にしてるから、映画に描かれない苦しみ、悲しみなどは当然あったのだろうけど、どんな状況になっても恋して、遊んで、楽しんで前向きに生きた人間の記録として、よくできている作品だった。大泉洋の演技は好きではなかったけれど、今作は素晴らしいと感じた。
夜中にバナナを買いに行かせるより、命が危ないと装ってボラを呼び出すことの方が腹が立ちましたが。
いいところも悪いところも
主人公が自己中すぎるとの評価も見られますが、人に迷惑をかけてしまうからと自分に制限をかける必要はない。困っていることは助けて貰えばいい。というメッセージを伝えるにはこれくらいの自由さがある方がいいのかなと思いました。
しかし、恋人との時間や学業の時間などを割かせ、ボラの方の人生や生活を乱してまで世話をさせるのはどうかとも思います。それぞれの人に、それぞれの人生の背景があるじゃん…!とみていて少しもどかしくなりました。
あと個人的に三浦春馬さんの演技が本当に好きでした。顔もつよつよ
一線を超えている
夜中の2時にバナナ食べたいから買ってこい、とパシるのは一線を超えている。
緊張と弛緩を巧みな話術で交互に使い、人の心を掌握する。
美談にはならないなぁ。
エンタメとして鑑賞するなら大泉洋のキャラクター、人間力流石です。
わがままだけど、しっかりと前向きに生きる彼の姿に共感して支える人々...
わがままだけど、しっかりと前向きに生きる彼の姿に共感して支える人々のお話。
助けを求め、助け合う。当たり前のことだけど、遠慮せずに出来ること。そうして人は支え合って生きていくんだなぁと思える素敵な作品でした。
大泉洋だからこそ暗くなりすぎず、明るく良かったのかなぁ。
素敵な作品でした。
命懸けで自己主張を貫く男の生き様
『迷惑をかけあう』、『対等』、『闘い』。本作で印象的だった言葉である。私は本作を感動作だとは思わない。本作は、個性的ではあるが、あるがままの強く激しい主人公の生き様を通して、障害者と健常者の在り方を真摯に考える作品である。
本作の舞台は1994年の日本。本作の主人公は筋ジストロフィーを患っている鹿野靖明(大泉洋)。彼は、自宅にボランティアを集め、言いたい放題の奔放な生活をしていた。ボランティアの医大生・田中(三浦春馬)の恋人の美咲(高畑充希)は、ふとしたきっかけで鹿野のボランティアになり、当初、嫌悪感を抱いた鹿野に徐々に惹かれていく・・・。
鹿野は、自分を隠さず赤裸々に曝け出す。命懸けで、自分の欲望を形振り構わず実現しようとする。ボランティアに助けてもらうことに躊躇いはない。彼は、対等という言葉を頻発する。彼とボランティアとの会話を聞いていると彼が障害者であることを忘れてしまう。それ程に、彼は、遮二無二、強く自分であろうとする。何故か。自分の夢を実現する、生々しく表現すれば、自分の欲望を満たすことが生きている証となるからであろう。
鹿野を演じる大泉洋は相変わらずの芸達者振りである。これまで軽妙洒脱な大泉色を放つ役柄が多かったが、本作では、一変して、舌打ちしたくなるような嫌味全開の鹿野を熱演している。鹿野の命懸けの自己主張を見事に演じ切っている。鹿野の生き様を体現している。本作では鹿野の会話がキーポイントとなっており、難役と言える鹿野役を熟せるのは会話術に長けた大泉洋しかいないだろう。
ラストはそう来たかという感じがした。難問かもしれないが、折角の問題提起をしっかりとまとめて欲しかった。
本作は1990年代の物語であるが、20年以上が経った現代が、当時に比べ、格段に進歩したとは思えない。障害者、健常者という言葉が死語になった時、鹿野が目指した、障害者と健常者の対等な人間関係は我々の常識になったと言えるだろう。
ちょっと胸糞
これだと身障者が
ガチクズの自己中自分勝手みたい。
自己中の、良い人を利用して挙句の果てに自分のものにしようとした奴の半生を美化した映画。
しかもノンフィクション。キツい。
良いところはキャストに恵まれたところ。
北海道が誇る大泉洋
難しい役をリアルに個性的に演じてくれた
最初むっちゃ嫌な感じで見続けるか迷った
こういうのが期待を裏切って感動しちゃうんだな、、、
鹿野さんの命を支えるボラさん達はきっと
逆に鹿野さんの命が心の支えなのかな
まるで青春映画のようだった
あたし
道産子なので北海道弁に癒やされたべさ〜
65点
映画評価:65点
難病を患い、
1人では生活が出来なくなった人が
沢山のボランティアの方の協力を得て
生き抜いていく話し。
それだけ聞くと美談に聞こえるが、
大泉洋の演技が光る図々しさと愛嬌で
お涙頂戴作品ではなく、
明るく、自分らしく生きていく
そういう前向きな作品になっています。
どんな人でも
誰かの助けなしでは生きてはいけない。
障がい者とか関係ないです。
助けてもらう頻度や質は人それぞれ、
助けてもらってない人なんていないんですから。
そして、
その助けてもらうという行為は、
同情とかからではなく、
対等なんだという事。
やってもらって当たり前も何か違うけど、
誰かを助けた人は、誰かに助けられている。
だから申し訳ないと思うのではなく、
もっと堂々としていればいいんだなと。
面白くて考えさせられる良い映画でした。
【2022.1.3観賞】
コメントができない。
ここで描かれていることが現実だとしたら見続けるだろうか?正直見ることを避けようとしてきたし、そうしたかった。しかし目を背けず向き合う先には・・・不覚にも号泣であった‼️★はすまないがこれで勘弁して欲しい。現実は常に目の前にある。三浦春馬と高畑充希に脱帽。
生きるってこんなにも大変
だこらこそ、楽しみたいし、愛されたい。
構成も演者さんもとても良かった。
愛されるには努力がいる。
臆病って病は、本当の病より
厄介なのかもしれない。
この厄介を楽しめたら
見える景色は変わるのかもしれない。
やはり実話モノはリアリティーを感じる
これがフィクションだったらこんな人現実にはいないよなぁという感想を持ってしまうが、ノンフィクションの場合、この世にこんな凄い人がいるんだ!という感想に変わる。当たり前といえば当たり前だけれど、なんだか不思議。
そして、ちゃんとその人がどういう人だったのかということを伝わるように表現している大泉洋の演技力はやはり凄い。
愛がいっぱい
振り回されるもほっとけないあの人、、、。
本来の現場はこんなもんじゃないんでしょうが、
目を背けたくなる現実をコミカルに。
悲しくて泣くんじゃなくて、笑いがありながらも泣けてくる。
久々にいい映画を観た。
全273件中、1~20件目を表示