劇場公開日 2018年12月28日

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「「生き方」について一石投じられます」こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「生き方」について一石投じられます

2019年1月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

予告から、主人公の鹿野が周囲の人々にわがまま放題をぶつけるのはわかっていましたが、それが序盤から全開とは思いませんでした。そんな鹿野の様子を目の当たりにして、高畑充希さん演じる美咲がブチ切れる気持ちはよくわかります。自分ももちろんそうですが、おそらく多くの観客が彼女に共感しながらこの作品に入り込んでいったのではないかと思います。

しかし、物語が進むにつれ、しだいに鹿野の生き方やその裏にある思いが見えてくるようになり、それを間近で見て、触れて、心を通わせるようになった美咲も、鹿野への接し方がどんどん変化していきます。気づけば自分も鹿野の生き方を応援していて、とくに「鹿野ボラをなめないでください!」のシーンは、涙がこらえきれませんでした。いつの間にか観客も「美咲の変容に自分を重ねて見る」、これこそが制作側の意図したところではなかったかと思いました。そういう意味では、主演の大泉洋さんはもちろんのこと、高畑充希さんの抜群の演技力と存在感で魅せている部分も大きかったと思います。

それにしても、鹿野の生き方にも、ボランティアの生き方にも、本当に頭が下がります。実の親子だけでなく、ボランティアとも「家族」と言い切れるほどの絆で結ばれていたことが、ひしひしと伝わってきました。自分にはどちらの生き方も真似できそうにありませんが、「生き方」について一石投じられたのは確かです。大晦日に鑑賞したのですが、来る2019年は「生きる」ということをいま一度噛みしめていきたいと思いました。

おじゃる