「解釈」機動戦士ガンダムNT U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
解釈
永きに渡るとっちらかったニュータイプ論に1つの結論を出したような物語か。
ファーストから連なる人の邂逅のなんたるかが、サイコフレームによる魂の保存と定義付けられ、それらに感応できる人々をニュータイプと呼ぶみたいな。
なんていうか…ガンダムシリーズ、特にニュータイプ編の総括みたいで、ZやZZ、逆襲のシャアとかまで含まれてて構成としては面白い。
ただ、まあなんというか当初提唱されたニュータイプ論がオカルト的な帰結を遂げるとは、ダイクンは夢にも思っていなかったであろう。
作風が、とくに人の顔の傾向が結構バラバラに見え、時にアメコミに見え、時に中国圏のソレにも見える。
統一感があまりなく見にくい、のである。
MS戦は総じてカッコ良く◎
フェネクスが宇宙を彷徨う幽霊船のような立ち位置で、野良状態なのがいい感じ。
特殊というか孤高というか、そんな存在感が満載だった。
3号機に操縦者は搭乗しておらず、光速が出せるらしい。ほぼ反則級のスペックだ!
劇中のパイロットが呟いてた。
「な、何が起こってるんだ…?」
激しく同感である。
ユニコーンやバナージも登場し続編への期待もあるがNTとしては、おそらく終わりなのであろう。
ただ、そんな事もあって、明確な結末はなかったような印象だった。
「あの世」と「この世」の間に「サイコフレーム世」みたいなのがあって、三途の河で遊泳してるような感じだろうか…平たく言えば。
…なんかズレてんなw
■追記
Netflixにて鑑賞。
全く記憶になかった…俺は劇場で寝てたのだろうか?それらしいレビューは書いてあって、ちゃんと観てもいそうなのだけど、かなり衝撃的だった。
「苦しむだけの生命」そんな台詞が耳に残る。
肉体から解放された魂は1つに溶け合うのだとか…その場所が涅槃だとして、涅槃とは別の場所がサイコフレームという事みたいだ。
まぁ…確かに歴代のガンダムを見ても、時の制約を受けてはいないように見える。死者とも会話しとるしね。…というか、アレらを精神的な人格の補填やイメージと捉えず、実際に話せる存在であるとするのは驚愕の設定だよなあ…。抽象的な問答ではなくて「ララァ、明日晴れるかな?」「前線が伸びてくるから明日は雨よ、アムロ」なんて話が出来てしまうって事だよ。極端な事言うと。肉体がないだけで居るわけだから。
……ありがたみも神格化もせんな。
随分と大胆な設定をぶち込んだもんだなと改めて思う。そうするとだよ、劇中で言う生まれ変わりなんかもせんのじゃないか?鳥にはならんのだよ、残念ながら。
あなたはあなたのまま未来永劫の時に存在し続けるのさ…ララァがいつまでたっても出てくるように。
やっちまったなあ、ナラティブめ。
回想なんかでZZも入ってたけど時系列は合ってんだろうか…合ってんだろうなぁたぶん。
ともあれスピリチュアルまっしぐらな内容に蒼ざめる。そして、オカルトっぽく「不可解だ」とか「ありえない」とか「説明がつかない」とか。
もう万能なパワーワードみたいで、そう言っときゃ逃げれるみたいに聞こえてもくる。
スピリチュアルな脚本に負けじと、戦闘パートが頑張りすぎて戦闘力の天井が上がりまくり、ガンダムシリーズなのにスーパーサイヤ人4くらいが降臨したのかと思うようなラストだった。
…やっぱ寝てたのかなぁ。