「人類の可能性に翻弄される。」機動戦士ガンダムNT しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
人類の可能性に翻弄される。
「機動戦士ガンダム "UC NexT 0100"」第1弾。
「機動戦士ガンダムUC」番外編的続編。
アニメ好きの友人と観に行きました。
「機動戦士ガンダムUC」は第4話までしか観たことが無く、それ以前の宇宙世紀作品は全く観ていなかったので、一緒に観ようと誘われてからウィキペディアなどで勉強しました。ガンダムシリーズ自体は「SEED」と「SEED DESTINY」しか観たことありません。両作は今でも大好きです。
それはさておき、にわかもにわかの大にわかな私でしたが、それでもめちゃくちゃ楽しむことが出来ました。面白かったと云うか、とても悲しい物語だなと思いました。
ヨナ、ミシェル、リタ―。戦争のエゴの犠牲になった彼らの織り成す物語が心に迫って来ました。固い絆で結ばれた3人でしたが、お互いを守るために吐いた嘘が彼らを絡め取り、過酷な運命へと導いていくドラマが秀逸でした。
心に様々な事情を抱えた人々が紡ぎ出す人間ドラマが、ガンダムシリーズの魅力のひとつかもしれないなと思いました。
ニュータイプやサイコフレーム、サイコミュなど理解出来ない部分もありましたが、それらを深く掘り下げていくことで深淵なテーマが浮き彫りにされていく様がダイナミックでした。
生物が抗えない死さえ克服し、新たな次元へ人類を導く可能性を秘めた"ユニコーンガンダム3号機・フェネクス"―。
その争奪戦を通して、オカルトじみて異質だったニュータイプの設定が、人間の存在と魂の繋がりにまで波及して、進化とは何か、人類の行く末に待つものとは何か、と云ったことを考えさせる思索が展開され、非常に観応えがありました。
戦闘シーンが大迫力! テレビとは訳が違いました。興奮に手に汗握り、これは映画館で観るべきものだと思いました。
想いが爆発し、奇跡を起こしていく様を描いた映像に息を呑みました。これは心と心の戦いだったのか、と感じました。
でも、最終的にナラティブガンダムよりフェネクスが目立っていたのは解せませんでした。タイトルロールなのに…。
【余談】
最後の最後でサプライズがありました。ファンの方なら胸熱だったかもしれませんねぇ…。消息不明とウィキペディアには書いてあったので、とても驚きました。
※修正:2021/07/01
※鑑賞記録
2021/06/26:Netflix