「「鳥になりたいな」」機動戦士ガンダムNT いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
「鳥になりたいな」
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ガンダムUCの続編に位置づけられている作品で、原作小説ベースの映像化である。自分のようなファーストガンダム世代には、全くといっていい程、ちんぷんかんな内容になっていて、そのファーストとZガンダムの穴を埋めるようなプロットである。確かに、その後のガンダムシリーズは卒業してしてしまっているし、関心も湧かなかった。なので、一応、UCも鑑賞したのだが、なかなか後付け解釈に戸惑うことも多い。何故に、そんなに“ニュータイプ”の発展系を押してくるのかが理解に苦しむ。
と、鑑賞前は思ったのだが、今作、なかなか面白い内容だった。多分、政治的な話と言うより、浦沢直樹『MONSTER』や、ノイタミナ『残響のテロル』のような、子供を実験道具に使うプロットに惹かれたのだろうと思う。それに、断片的には、ニュータイプの特徴を巧く捉えられている点も感心する。特に、死人と話ができる=時間を超越できる的トンデモ話は、ガンダムの掘り下げ方としては斜め上を言っていて斬新な解釈すら感じて面白い。ファーストの角が立っているオカルト的要素を真面目に科学するというテーマは娯楽として寄ってたかって理論武装していく様は、或る意味知的教養として日本ならではかも知れない。こうしてガンダムを使ってアニメ界が遊ぶことはいいことだと強く感じる。
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