「賛否両論分かれる。ニュータイプ向けの作品」機動戦士ガンダムNT しゅんいちさんの映画レビュー(感想・評価)
賛否両論分かれる。ニュータイプ向けの作品
映画【機動戦士ガンダムNT】感想。
ネタバレします。
まずはネタバレ無し
★福井晴敏ガンダム
最終章といった感じの作品。
そして、機動戦士ガンダムUC外伝のような機動戦士ガンダムUCEpisode8といった感じがしました。
とはいえ
機動戦士ガンダムSEED外伝のスターゲイザーみたいな酷さは無く。
個人的にはかなり良かったです。
とはいえ機動戦士ガンダムUCを好きじゃない人もいるので、福井晴敏ガンダムを「認めない!認めないぞ!」な人には、ホントダメな感じです。
あと…
ニュータイプを突き詰めていくと、もうスピリチュアルとかオカルトからは離れられないだろうなぁと思ったけど
タイトルの「機動戦士ガンダムNT」の通り
福井晴敏解釈のニュータイプを改めてとことん突き詰めて考えてみました!
といった印象の作品なので
やはり、「能力者」な人なら刺さるだろうなぁって感じのセリフや名言がサクサク出てきます。
そうだよね。
うんうん!そうだよね!って僕達「能力者」は、とても共感できるんだけど…
逆に「え?何を言ってるの?全然意味がわからない!」ってちんぷんかんぷんなお客さんもいっぱいでしたし
冒頭の数分で、ぶわって泣いてしまったんだけど…
周囲は全然泣けないみたいで…
冒頭の15分?20分?くらいがYou Tubeで先行公開されてるらしいのですが、鮮度を大事にしたいので、そんなもんは観てない僕としては
ホントに始まって数分で泣かされてしまって
その後を辿る壮絶な運命までもが流れ込んできてしまって
悲しくて号泣です。
でも、周囲はキョトンな感じで「こうも、感じ方が違うのかぁ」と改めて思い知らされました。
それだけにしっかりとした脚本で仕上げてくれてますが…
わからない人には、ほんとなんのこっちゃかもしれません。
個人的には90分の上映時間でも十分なんですけど、多分…もう少し丁寧に描いたら120分くらいまでいけたのでは?とも思いましたが…
わけわかんない人は、
「新劇場版:エヴァンゲリヲンQ」くらい分かんないかもですね。
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ネタバレします。
ネ
タ
バ
レ
ネ
タ
バ
レ
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ルオ商会とティターンズがめちゃめちゃ絡んでて、大人の欲望と都合でジオンも民間もアナハイムでさえ振り回されます。
ビスト財団も凄い財閥だけど
ルオ商会は、ホントに普通に武器商人だなぁとつくづく感じ。
不老不死をサイコフレームに託すあたりが、いかにも欲の塊。
そこに
仏教的な思想としての輪廻転生を説いてくるリタベルナル。
なぜ、冒頭で泣けるかというと
リタはすでに亡くなってて
これがユナの夢の中の映像で
リタは魂だけの存在になって
フェネクスに同化してる
三人が逃げ出したあとにも
「足を切り落としましょうか?」と肉体なんか必要ないといった感じのことを平気で言ってのける残酷な大人。
でも
それでも
「ニュータイプには天国はあると思うのよ」とリタは言う
リタの思想は、仏教。
ユナの思想は、キリスト教。
ユナは死んだら無くなるだけだよ。と言う。
魂の在処。
死と生について、改めて向き合う。
肉体や物質に固執するオールドタイプと
魂の在り方を説く
ニュータイプ。
そして…
最後にバナージが
「それでも!それでも!と足掻け!」といった感じの事を言ってしめる。
ここまで、宗教感を感じさせずに宗教の話を丁寧に織り込んだ
ヒトというものと、ヒトの作りしものについて
そして、神について
今、理解できうる範囲での解釈を入れてくれてる。
ミシェルが言う
「神様がいたら、こんな酷い事をするニンゲンを許すはずがない」と神を否定する。
これは、ヒトの話であり
神の話でもある。
だからこそ、そこにある「神の愛」に涙せずにはいられない。
素晴らしい作品でした。
しかし
UCとZとZZは観といた方がいい。
普通に観ても
観客を置いてきぼりにしてしまう作品でしたが理解できたら泣いてしまう。